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Twitter Blue「アップル税」が話題に。回避策はある?

山口健太ITジャーナリスト
日本版Twitter Blue(TwitterのWebサイトより、筆者撮影)

1月11日、Twitterの月額制サービス「Twitter Blue」が日本のユーザーでも契約できるようになりました。

しかし、iOSアプリから契約すると料金が400円高くなることから、「アップル税」として話題になっています。回避策はあるのでしょうか。

iOSからもWebブラウザーで契約可能

日本版のTwitter Blueは、Webから契約すると月額980円、iOSアプリからだと月額1380円となっています。

2022年12月に再開した米国版も、Webからの契約で月額8ドル、iOSアプリからは月額11ドルという料金体系になりました。

WebとiOSで料金に違いがある理由は、アップルによる30%の手数料と考えられます。単純計算では、1380円のうちアップルが414円を取り、Twitterに966円が入ることになります。

このように手数料を考慮して価格差を付ける方式はYouTube Premiumなどでもすでに導入されていますが、「アップル税」としてTwitterでトレンド入りするなど、話題になっています。

これを回避するにはパソコンなどのWebブラウザーから契約すればよいわけですが、iPhoneから契約した場合でも、必ず1380円になるわけではありません。これはアプリ内課金の仕様によるものです。

iOSのアプリ内課金では、Apple IDに登録された支払い手段や残高を利用しています。アップルが提供する機能なので、手数料もアップルが決めています。

これに対して、SafariなどのWebブラウザーからクレジットカード番号を入れて購入した場合は、アップルとは関係がないので手数料はかかりません。

要するに、SafariからTwitterにログインしてTwitter Blueを契約すれば、980円で済むということです。

実際にiOSのSafariからTwitterのURLを開いてみます。アプリで開くことをおすすめされますが、それは無視してTwitterのIDでログインすると、Web版のTwitterを利用できます。

SafariからTwitterにログインした様子(アプリ画面より、筆者作成)
SafariからTwitterにログインした様子(アプリ画面より、筆者作成)

Twitter Blueのページを開いてみると、iOSアプリでは1380円だった料金が、Safariでは980円となっていることが分かります。

iOSアプリ(左)では1380円だが、Safari(右)では980円と表示された(アプリ画面より、筆者作成)
iOSアプリ(左)では1380円だが、Safari(右)では980円と表示された(アプリ画面より、筆者作成)

それでは、iOSアプリから1380円で契約するのはどのような場合なのでしょうか。考えられる理由としては、Apple IDの支払い手段を使いたい場合です。

iOSのアプリ内課金では、Apple IDに登録済みのクレジットカードや、アカウントの残高を利用できます。

コンビニなどでAppleギフトカード(以前のiTunesカードに相当)を購入してチャージすれば、クレジットカードを持っていない人でも契約できます。

アカウントの残高は、アプリの課金などでチャージしたまま、余らせている人もいるでしょう。その残高を使い切りたい、という場合にも便利です。

最近では「アップル税」が高すぎるのではないか、という議論が世界的に広がっているものの、その中にはアップルが負担していると考えられる決済手数料や、膨大な数の無料アプリを含めた「審査」や「配信」のコストが含まれているようです。

ただ、普通にiPhoneを使っていて手数料の存在を意識することはあまりないものの、Twitter Blueのように消費者が価格差を意識する機会が増えることによって、どのような影響があるかは興味深いところです。

Twitterを支えたいなら課金?

Twitter Blueで実現している機能としては、青いバッジの表示(審査が必要)、ツイートの編集(投稿から30分以内)、長尺動画(最長60分、2GB)のアップロードといったものです。

今後は、Twitter Blue登録者からの返信の優先的な表示や、広告表示が「半分」になる機能が予告されています。

Twitterのヘビーユーザーからは、「有料プランを出してくれ」との声が(冗談交じりに)上がったこともあります。ただ、実際に出てみると「意外と高い」という声が多いようです。

これまでTwitterは売上の大部分を広告に依存していましたが、イーロン・マスク氏による買収後、広告収入は前年比で半減していると報じられています。買収に際して、Twitterが多額の借金を背負うというスキームも相まって、経営は苦しい状況にあるようです。

マスク氏を支持するかどうかはさておき、Twitterに今後も安定した運営を続けてほしいと思うなら、支援の意味でTwitter Blueを契約するというのも1つの考え方でしょう。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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