【英会話】My memo isn't always useful と言ったら、からかわれた なんで?
20年ほど仕事で英語を話していますが、ごくごくたまに文法的に間違った英語を口走ることがあります。そういう時は決まって日本語を直訳しているときで、イメージから英語を作ってないんです。頭が英語モードになってないんですねぇ。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと英語頭で話す感覚を得られるお得なエッセイです。
おれのメモはいつも役に立たないさ。
なくて七癖とは申しますが、わたしには悪い癖がありまして、それはすぐにメモを取ってしまうことです。うちの相方と話していてもちょっと気になることがあるとすぐにメモを取っちゃう。食後の雑談なんかの時にもメモをちょこちょこ取るんで、相方はあきれて、あなたね、私の言ってることはたいがい無意味なことなんだから、メモなんか取らないでよ なんて呆れられます。まぁ、無意味なことってのは無意味と決めた時から無意味になるわけで、気になる私にとっては意味あること、メモは取っちゃう。
ただ、そういう意味のあるメモですが、さすがの私もこれは意味がないなと思いつつとっちゃうメモというのがありまして、それはfootball 観戦中の布陣図です。Jリーグの観戦の時にプレーヤーの位置取りを敵味方ともにメモにしていくんです。うちは、攻撃時に3313で、相手のチームは442になるから、こことここがマッチアップして、守備の時は424で相手のチームは2323だからうんぬんかんぬんと、真面目腐ってメモってる。
いや、football のコーチやプレーヤーを目指してるわけじゃないんですよ、純粋に趣味。試合でプレーヤーが何を意図してどうボールを動かしているのかを知りたいってだけの話なんです。でも、これがfootball の面白いところで、そういう風に予想していても、まるで違う形で点が入ったりする。それも後で配信を見返してどうして、そうなったのかをメモして考えたりもするんですが、それだって何の役にも立ちません。
そんな話を、English man の友人のRichに話したことがあるんですが、当然ですが、呆れられました。本場のEnglandではそんな風に分析的にみる奴なんていないよ なんて言われる。
わたしもそれは判ってるんで、ちょっと自虐モードで、こういっちゃったんです。
My memo isn't always useful. (おれのメモはいつも役に立たないさ)
それを聞いた瞬間、Richがへ~と感心してみせた。で、
Your memo is sometimes useful, let me know when it was. (時々役に立つんだねぇ、そん時を教えてよ)
ときた。
だから、いつも役に立たないって言ってるのに、なにを人の傷口に塩ぬるようなこと言ってやがる と、ムッとしてRichを見るとにやにや笑ってる。それで、わたしも自分が言った英語の間違いに気づいた。やっちまったと思いながら、
Don't take the piss. (揶揄(からか)うなよ)
※この言い回しは親しい間柄だけで使ってください。友達じゃないと危険です。
と言い返しました。
みなさん、どうしてこういうことになったか、気づかれたでしょうか?
もちろん、問題は私が、いつも役に立たない を直訳したことにあります。not always にしちゃったわけですが、これはいつも~ない にならないんです。日本語のいつも~ない というのは0%ということです。なので、0%をあらわすnot もしくはnever を使わないといけない。
My memo is never (not) useful.
としなくてはならないんですねぇ。
いわゆるこれが、イメージから英語を作るということでして、翻訳するときなどは日本語の内容をイメージして、そのイメージに合った英語を作っていく。英会話の時は、言おうと思ったイメージから英語を作っていきます。
そういう回路を経ないで直訳しちゃった。そうすると、このnot always がどういう意味になるかというと、いつも役に立つとは限らない になる。ちょっとは役に立つという意味になっちゃうんです。なので、Richからたまに役に立つんだ って揶揄われた。
100%をあらわす単語とnotの組み合わせは0%じゃなく、どっちつかずの50%とイメージしていたのに日本語に引きずられてやらかしました。みなさんは、日本語に引きずられることなく、イメージから直接英語を作るように心がけてください。ぐっと英語が出てきやすくなりますよ。
でも、本当は心の底で、いつも役に立つとは限らない=ちょっとは役に立つと思っていたのかも。まぁ、一度も役に立ったことはないんで、そん時を教えてよと言われても困るんですが。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
イラスト 大橋啓子