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朝倉海の今後はどうなる?UFC参戦前にRIZINバンタム級王座初防衛戦を行うのか?

近藤隆夫スポーツジャーナリスト
UFC参戦を目指す現RIZINバンタム級王者・朝倉海(写真:RIZIN FF)

RIZINで、あともう1試合

「UFCに挑みたい!」

昨年大晦日にフアン・アーチュレッタ(米国)を2ラウンドTKOで下し、RIZINバンタム級王座を奪回した朝倉海(JTT)は、試合直後にそう話していた。

UFCも朝倉に興味を示しており、さまざまなエージェントから接触があるようだが現時点では、まだ正式契約には至っていない。それでも朝倉の目指す方向は明確だから、年内にはオクタゴンに入って闘うことになるのだろう。

気になるのは、UFCに闘いの舞台を移す前に朝倉が「RIZINバンタム級王座の防衛戦」を行うか否かだ。

UFC参戦がすぐに決まるかどうかは分からない。契約に至るまでに時間がかかるようだとブランクが生じてしまう。ならば、RIZINでもう1試合行う可能性も十分にある。

4月29日、東京・有明アリーナ『RIZIN.46』

6月9日、東京・国立代々木競技場第一体育館『RIZIN.47』

7月28日、さいたまスーパーアリーナ『超RIZIN.3』

夏に向けてビッグイベントが続く。この3大会のリングに朝倉が登場することになるのかもしれない。

井上直樹の想いは届くか

そんな中、元UFCファイターが朝倉が持つベルトへの挑戦を表明した。

3月23日、神戸での『RIZIN LANDMARK 9』で佐藤将光(坂口道場一族/Fight Base都立大)に勝利した井上直樹(キルクリフ FC)だ。

「今回勝ったんで、次に僕の相手をしてくれる人って誰か分かりますか?」

試合後にマイクを手にした井上は、会場のファンにそう問いかける。

「朝倉海!」

客席から、そう声が上がると井上は続けた。

「はい、そうです。判定という結果ではありますが、チャンピオンシップ、そろそろいいんじゃないですか、榊原社長。皆さんの声があれば実現すると思うので、よろしくお願いします!」

実績十分のベテランファイター佐藤将光(右)を判定で下しRIZIN7勝目を飾った井上直樹(写真:RIZIN FF)
実績十分のベテランファイター佐藤将光(右)を判定で下しRIZIN7勝目を飾った井上直樹(写真:RIZIN FF)

試合後にインタビュースペースで「チャンピオンシップを闘いたい!」と改めて口にした井上直樹(写真:藤村ノゾミ)
試合後にインタビュースペースで「チャンピオンシップを闘いたい!」と改めて口にした井上直樹(写真:藤村ノゾミ)

2015年3月、DEEPでプロデビューした井上は、その2年後に日本人史上最年少の19歳でUFCに参戦している。通算戦績17勝(10一本&KO)4敗。

キャリアの半分以上を闘っているRIZINでは7勝(5一本&KO)2敗で、元谷友貴(当時フリー/現ATT)、石渡伸太郎(CAVE)、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)、瀧澤謙太(フリー)らに勝利、扇久保博正(パラエストラ松戸)とフアン・アーチュレッタ(米国)にいずれも判定で敗れた。

RIZINに階級別ランキングがあれば当然、上位にランクされる選手で王座挑戦の資格は有する。

大会後の総括でRIZIN榊原信行CEOは、こう話した。

「(朝倉)海の挑戦者に誰が相応しいか…井上選手が今日の試合で熱を作れたかというと、そこはクエスチョン。候補者の一人であることは変わらないが、タイトルマッチを組むことになれば井上選手以外も候補に入れて、しっかり選考したい」

タイトルマッチの挑戦者が、RIZIN初参戦ファイターになることは考え難い。

となれば、朝倉が王座初防衛戦を行う場合、候補は4人しかいない。

一昨年の大晦日に朝倉に勝利した扇久保、前王者のアーチュレッタ、一昨年夏に一度は対戦が決まっていたヤン・ジヨン(韓国)、そして井上だ。

扇久保はすでにフライ級に転向しており、前回計量オーバーを犯したアーチュレッタにダイレクトリマッチのチャンスを与えるストーリーには無理がある。ヤン・ジヨンは4・29『RIZIN.46』で倉本一真(リバーサルジム新宿MeWe/MAJESTIC)戦が決まっている。

となれば、太田忍(パラエストラ柏)に勝った佐藤将光を破った井上が挑戦権を得るのが妥当ではないか。

6・9『RIZIN.47』か7・28『超RIZIN.3』で、初対決となる「朝倉海vs.井上直樹」実現の可能性は残されている。ぜひ観たいカードだ。

スポーツジャーナリスト

1967年1月26日生まれ、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から『週刊ゴング』誌の記者となり、その後『ゴング格闘技』編集長を務める。タイ、インドなどアジア諸国を放浪、米国生活を経てスポーツジャーナリストに。プロスポーツから学校体育の現場まで幅広く取材・執筆活動を展開、テレビ、ラジオのコメンテーターも務める。『グレイシー一族の真実』(文藝春秋)、『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)、『情熱のサイドスロー~小林繁物語~』(竹書房)、『柔道の父、体育の父  嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。仕事のご依頼、お問い合わせは、takao2869@gmail.comまで。

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