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なぜセリエAで苦戦→監督解任のミランが優勝できた? 新指揮官が1週間でもたらしたもの #専門家のまとめ

中村大晃カルチョ・ライター
1月6日、スーペルコッパ・イタリアーナ決勝でのミラン監督コンセイソン(写真:ロイター/アフロ)

1月6日のスーペルコッパ・イタリアーナ決勝で、ミランがインテルを3-2で下し、8年ぶり8度目の優勝を飾った。下馬評を覆しての戴冠だ。

今季のミランはセリエAで8位と苦戦。年末に1年目のパウロ・フォンセカ監督を解任し、セルジオ・コンセイソンを新たに招いている。

それだけに、サウジアラビアでのタイトル獲得は困難との見方が多かった。だが、準決勝でユヴェントス、そして決勝でインテルを撃破。いずれも後半に巻き返しての逆転勝利で優勝を果たした。

監督交代からわずか1週間。ミランはなぜ快挙を実現できたのか。

ココがポイント

プリシッチは「(新監督からは)“もっとハングリー精神を持て。それが戦術よりも重要だ”と言われた」と明かした。
出典:スポニチアネックス 2025/1/7(火)

チームは2度も逆転し(ユヴェントス戦も逆転勝利)、2つの強豪に勝った。このチームには気質があるということだ。
出典:SPOTV news 2025/1/7(火)

あと2つか3つの小さな点を学べば、彼は世界最強選手になるだろう。
出典:GOAL 2025/1/7(火)

我々は謙虚になれれば、チャンピオンズリーグやセリエAで一緒に素晴らしい時間を過ごし、ミランを相応しい場所に導けるはずだ
出典:超WORLDサッカー! 2025/1/7(火)

エキスパートの補足・見解

就任からわずかとあり、コンセイソンにできたことは限られた。当然、自身が目指すサッカーの哲学や戦術を伝える時間はない。だからこそ、指揮官は意識の面に働きかけたと考えられる。

もともと、コンセイソンは「美」より「結果」を重視する監督だ。そしてそのために粉骨砕身を求める闘将タイプ。それはクリスティアン・プリシックのコメントからも分かるだろう。

たびたびメンタリティーを批判されてきたミランだが、コンセイソンは実際に見て、選手たちは謙虚だと話していた。そして2試合連続逆転勝利に対する「気質がある」との評価も、チームへの好印象をうかがわせる。

そして気持ちが入れば確かな力を発揮するのが、ラファエウ・レオンだ。負傷から復帰した決勝、後半途中からの投入でチームを勝利に導いたパフォーマンスは、改めて能力の高さを実感させた。指揮官の言葉は、エースに対する期待が感じられる。

そのレオンが安定し、全体が力を発揮すれば、ミランがセリエAで8位に甘んじるチームでないことは確かだろう。コンセイソンが名門を「しかるべき場所」へ高められるか、注目だ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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