なぜセリエAで苦戦→監督解任のミランが優勝できた? 新指揮官が1週間でもたらしたもの #専門家のまとめ
1月6日のスーペルコッパ・イタリアーナ決勝で、ミランがインテルを3-2で下し、8年ぶり8度目の優勝を飾った。下馬評を覆しての戴冠だ。
今季のミランはセリエAで8位と苦戦。年末に1年目のパウロ・フォンセカ監督を解任し、セルジオ・コンセイソンを新たに招いている。
それだけに、サウジアラビアでのタイトル獲得は困難との見方が多かった。だが、準決勝でユヴェントス、そして決勝でインテルを撃破。いずれも後半に巻き返しての逆転勝利で優勝を果たした。
監督交代からわずか1週間。ミランはなぜ快挙を実現できたのか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
就任からわずかとあり、コンセイソンにできたことは限られた。当然、自身が目指すサッカーの哲学や戦術を伝える時間はない。だからこそ、指揮官は意識の面に働きかけたと考えられる。
もともと、コンセイソンは「美」より「結果」を重視する監督だ。そしてそのために粉骨砕身を求める闘将タイプ。それはクリスティアン・プリシックのコメントからも分かるだろう。
たびたびメンタリティーを批判されてきたミランだが、コンセイソンは実際に見て、選手たちは謙虚だと話していた。そして2試合連続逆転勝利に対する「気質がある」との評価も、チームへの好印象をうかがわせる。
そして気持ちが入れば確かな力を発揮するのが、ラファエウ・レオンだ。負傷から復帰した決勝、後半途中からの投入でチームを勝利に導いたパフォーマンスは、改めて能力の高さを実感させた。指揮官の言葉は、エースに対する期待が感じられる。
そのレオンが安定し、全体が力を発揮すれば、ミランがセリエAで8位に甘んじるチームでないことは確かだろう。コンセイソンが名門を「しかるべき場所」へ高められるか、注目だ。