アメリカのメディアを賑わせ始めた“ちっこいトランプ”。明日の「SNL」はどうなるか
トランプに対する怒りとあきれが、新たな局面に達している。
昨日の77分間の記者会見で、トランプはまたもやいくつもの信じられない発言をした。空港で大混乱と抗議デモを引き起こした入国禁止の大統領令については、「とてもスムーズに導入できた。でも裁判所がばかで」と言及。オバマがまだ大統領だった時に、オバマが出したロシアへの制裁についてロシア大使と話していたことがわかり、マイケル・フリン安全保障補佐官が辞任に追い込まれたばかりだが、それに関しても「私はロシアとは何の関係もない。私の周囲の人間もだ」と豪語してみせた。前代未聞のトラブル続きのホワイトハウスについても、「最高にスムーズに機能している」と言っている。もちろん、お決まりのメディアバッシングもすごかった。
ここまで狂った状況に、メディアと一般人は、ブラックユーモアをもって対抗した。記者会見が行われた米時間16日夜から、ネット上に、小さなトランプが実物のサイズの人たちに囲まれる写真が多数現れ始めたのである。Reddit.comに最もたくさん出ているが(https://www.reddit.com/r/TinyTrumps/)、トランプが愛用するツイッターにも、#tinyTrump(ちっちゃいトランプ)のハッシュタグで、かなり投稿されている。
どんな小さなことでも、腹が立つと必ずツイートするトランプだが、これに関しては、まだ何もツイートしていない。自分を偉大に見せたがるトランプにとって、これは新たな急所だろう。2週間ほど前には、自分の側近を女性っぽく見せられることに彼が大きく傷つくことが発見され、「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」は、先週土曜日、そこを突いてより多くの側近を女性に演じさせるという大攻撃をした([トランプの“急所”をつかんだ!「SNL」で女性たちが猛烈に復讐 トランプの“急所”をつかんだ!「SNL」で女性たちが猛烈に復讐])。記者会見そのものもネタだらけだが、この“ちっこいトランプ”まであって、明日の夜の「SNL」がどうなるのか、興味津々である。
一方で、トランプの上級顧問スティーブ・バノン役で登場するかと思われていたロージー・オドネルは、結局のところ、「SNL」に出る予定はないことがわかった。オドネルは長年のトランプの宿敵で、毎日のようにトランプ叩きのツイートをしているだけに、相当な暴れぶりが期待されていた。一時は意欲を示し、なりきり写真をツイートしていただけに、残念だ。
だが、昨日は、「SNL」でずっとヒラリー・クリントンを演じてきたケイト・マッキノン(先週はジェフ・セッションズ司法長官を演じた)が、ニューヨークで、クリントン本人と食事をする様子が目撃されている。選挙中、クリントンは「SNL」に自分役で出演し、見事なユーモアのセンスを見せていた。トランプ攻撃がピークを迎える今、クリントンはまた「SNL」に出るのだろうか。であれば、どんなジョークを言ってみせるのか。トランプが嫌う「SNL」は、皮肉にも、トランプのせいでますます見逃せない番組になっていっている。