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「ファイヤーサンダー」が「キングオブコント」で頂を目指した方法。そして、頂に立ってやりたかったこと

中西正男芸能記者
「ファイヤーサンダー」のこてつさん(左)と﨑山祐さん(2023年10月筆撮影)

12日に放送されたTBSテレビ「キングオブコント2024」で優勝したのは「ラブレターズ」でした。

1点刻みの超接戦となりましたが、最後「ファイヤーサンダー」の﨑山祐さん、こてつさんのリアルな悔しい表情が印象に残りました。

そもそも、二人は吉本興業のNSC大阪校で出会い、互いに別のコンビを経験してから結成。地元・関西を離れて上京し、フリーを経て現在のワタナベエンターテインメント所属となりました。

お二人には拙連載で何度かインタビューをしてきましたが、頂に立つための思いをあらゆる言葉で吐露していました。取材メモを振り返ります。

﨑山:「キングオブコント2023」で決勝に初めて進むことができたんですけど、これまでの違いがあるとすると、純粋にトレーニング量を増やしたことだと思います。これまでとは違うトレーニングを取り入れる的なことではなく、とにかく新ネタをたくさん作りました。

自分の中で、ちゃんとやった年にはそれ相応の結果が出るということがあったので、やり方自体は間違っていない。だったら、とことん量を作ろうと。

新ネタは作ってみないとどんな仕上がりになるか分からない。ある種“ガチャ”みたいなもので、出てくるまで出来の良さは分からない。その試行回数を増やしたというのが決勝という結果につながったんだと思います。

一番シンプルで、一番しんどいトレーニング。それを重ねての大きな一歩でしたし、今年はさらに強度を高めていたとも聞きます。

そして、きれいごとではなく根源的に頂への思いが強くなった出来事もあったといいます。

こてつ:2020年の11月にネタバトルの大会があって、そこで同期の「オズワルド」が優勝したんです。

賞金が50万円。そのお金を持って決勝に進出していた10組ほどで叙々苑に行ったんです。そして、一晩で全額使いきりました。

それをやりきる「オズワルド」が純粋にカッコよかったですし、芸人らしいと思いましたし、こういう時間を持ちたい。次は自分がやる側になる。フワッと「優勝したい」と思うのではなく「アレをやりたい」という具体的な目標ができた。細かいことかもしれませんけど、実は大きなことだったと思っています。

それを一番具現化できるのが「キングオブコント」優勝。なんとか、そこを手中におさめたい。心底そう思うようになりました。

強い思いを持って、激しいトレーニングを繰り返す。それでも、あと一歩届かない。悔しい。でも、結果を受け入れるしかない。

華やかなでポップな大会の中で見えたリアルな悔しい表情。その思いがまた二人をさらに面白くする。

そんな平坦な文章では釣り合わない領域だとも思いますが、変えられるのは今と未来しかない。その真理を胸に、また二人が歩みを進めることを願いたいと思います。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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