江越選手が3ラン!岩崎投手も快投!今季初の4連勝&貯金4《5/11 阪神ファーム》
きのう11日、朝まで残った雨や黒い雲に覆われた空、肌寒さに負けずウエスタン・阪神-オリックス戦は行われました。鳴尾浜では、4月26日と27日に社会人チームと交流試合をしたものの、公式戦は4月14日のソフトバンク戦以来で約1ヶ月ぶり!夜には甲子園で1軍の巨人戦が控えていること、そして西岡選手が実戦に復帰するとの情報もあったためでしょうか。平日の曇天にもかかわらず入場制限一歩手前の大入りでした。
試合は、先発の岩崎投手が安定したピッチングを披露し、歳内投手、青柳投手と3人で5安打完封リレー!打線は8日の登録抹消後初実戦だった江越選手が初回の3ランを含むマルチ&2盗塁、1軍から出場の岡崎選手と今成選手がそろってタイムリー(今成選手はタイムリー2本)、横田選手もタイムリーを放って7対0で勝ちました。これで今季2度目の完封勝利、今季初の4連勝、今季最多の貯金4となって2位をキープしています。が、首位の中日も広島に逆転勝ちしたため、その差2.0は変わっていません。
《ウエスタン公式戦》5月11日
阪神-オリックス 9回戦 (鳴尾浜)
オリ 000 000 000 = 0
阪神 400 110 10X = 7
◆バッテリー
【阪神】○岩崎(2勝2敗)-歳内-青柳 / 岡崎-小宮山(8回~)
【オリ】●佐藤峻(3敗)(4回)-角屋(2/3回)-坂寄(1/3回)-比嘉(1回)-コーディエ(1回) / 若月
◆本塁打 江越2号3ラン(佐藤峻)
◆二塁打 緒方、今成、鈴木昂
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]指:西岡 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000
〃打指:柴田 (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .218
2]左:緒方 (3-1-0 / 2-2 / 0 / 0) .274
3]一:へイグ (1-0-0 / 0-3 / 0 / 0) .405
〃走一:西田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .219
4]右:横田 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .200
5]三:今成 (3-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .667
〃三:森越 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .179
6]中:江越 (4-2-3 / 1-0 / 2 / 0) .348
7]遊:坂 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .198
〃遊:植田 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .111
8]捕:岡崎 (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .333
〃捕:小宮山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .281
9]二:荒木 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .250
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩崎 7回 102球 (3-8-3 / 0-0 / 3.44) 142
歳内 1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00) 144
青柳 1回 11球 (1-0-0 / 0-0 / 3.38) 141
<試合経過>
まず打線は1回、1死から緒方が右翼線二塁打を放ち、ヘイグの四球などで2死一、二塁となったところで今成が左前タイムリー!続く江越が左越えの3ラン!4点を先取します。4回には先頭・江越の強い打球をサードが弾き(記録はエラー)、坂への2球目で盗塁成功。1死後に岡崎の中前タイムリーで生還しました。
5回はオリックス2人目の角屋から緒方とヘイグが連続四球を選んで、横田は二ゴロ併殺打に倒れたものの、今成が左中間を破るタイムリー二塁打!江越も中前打と二盗で2死二、三塁としますが追加点はありません。しかし7回、コーディエに対して緒方の死球とヘイグの四球で無死一、二塁となり、横田がバットを粉砕されながら中前タイムリー!そのあとは3連続三振で、やはり1点止まりです。
一方の投手陣は、岩崎が2奪三振の三者凡退で立ち上がり、2回は園部の左前打と小田への四球で1死一、二塁とするも無失点。3回は先頭の堤を四球で出し、武田がショート内野安打、2死後に奥浪への四球で満塁としましたが、得点は与えず。以降は完ぺきなピッチングで4回、5回、6回が三者凡退、7回は小田のバントヒットがあったものの併殺など、3人で片づけています。
8回は歳内と小宮山のバッテリーに代わり、2死後に鈴木昂の三塁線を破る二塁打を許しながらも無失点。9回は青柳が登板して、先頭の奥浪に右前打されますが園部を遊ゴロ併殺打、小田を左飛に仕留めて試合終了!
下半身のリードでヘッドの走りを
掛布監督には江越選手の話を聞きました。「ホームランは素晴らしかったねえ!力が抜けて、いいスイングしましたよ。きょうは上半身でなく下半身のリードで、バットのヘッドの走りみたいなのを作れていたし、本人もあまり力を入れていないでしょう。でもヘッドの走りは(力を入れていない)きょうの方が速いと思います。そのあとの打席も悪くはなかった」
ファームでの再調整となったわけですが「10日間、どういう形で結果を出すかですよね。“いい江越”になるために。きょうのような形を続けてくれたら。持続していかなきゃいけないんだよね。1軍では結果がほしくて、グリップが忙しく動いていた。それをもっとゆったりと下半身のリードで、強さよりも速さ、スピードみたいな。ボールが当たってからのヘッドの走りみたいな。そういうホームランだったよね。本人も納得していると思う」と監督は見ています。
そして締めくくりは「こういう状態をそれだけ続けられるかです。あしたダメだったら意味がない。アウトになる形もそんなに悪くなかったので、あしたいかに内容のある4打席を作れるか。凡打も含めてね。あしたは左ピッチャーだし」でした。
とにかく上がることだけを考えて
3ランを含む2安打で3打点、盗塁も2つ成功させた江越選手。ホームランは「カーブかスライダーです。真ん中くらい。甘かったですね」と言います。キッチリと甘い球は仕留められた?「続けていきたいです」。真っすぐを待っていたうえで緩い球に?「はい、そうですね。真っすぐ系から。手応えはありました」
掛布監督のアドバイスは?「あまり強気振りすぎず、膝を柔らかくするイメージで、とのことです」。ホームランのあともエラーを誘うバッティングだったと言われた江越選手は「エラーを誘ったというか、あの打席は自分でみても良い内容でした。凡打の中でも、自分の納得いく内容というのは一番大事だと思うので。あれはよかったです!」と力を込めました。
悔しい降格ではありますが、最短日数で1軍に戻ることは必須。「落ちてきてからは、とにかく上がることだけ考えて、一日一日をしっかり大事にやっていこうと思っています」。そこに必要なものは?「やっぱりバッティング。バッティングがダメで落ちたので、まずはそこをしっかり修正したいです」。新たに取り組むことも?「3月に一度落ちてきた時と同じようなことをやる感じですね」
「しっかり投げていれば上げてもらえる」
岩崎投手は7回3安打3四死球、毎回の8三振を奪って無失点でした。内容を振り返って「初回の入りはよかったんですが、そこから慎重に入ってしまったところもあって…。ちょっとバランスを気にしすぎてしまったけど、4回くらいから切り替えて投げられたかなと思います」とのこと。7回というのは決まっておらず「ことしファームの試合は全部、1人で投げ切るつもろでいるので」と言っていました。
2回、3回はピンチで粘れた?「何とかゼロに抑えられたので乗っていきたいという気持ちになったし、先発をしていたら山場は2つか3つ来るので、そのうちの1つだと思ってどんどんストライク先行でいこうと切り替えました」。ピンチで球速もアップしたみたいで。「球速は見ていなかったですけど、結果にはこだわっていたので最少失点、できればゼロでと思っていたから、そうなったかも」。念ずれば…ですね。
この先、確認したいところは?「きょうはそこまで良くはなかったけど、しっかり調子を維持すること。若干、前半は変化球が高かったのでそこを修正したい。ストレートはよかったと思う」。1軍登板も近いでしょうね。「それを目指しているし、ローテの兼ね合いもあると思いますが、しっかり投げていれば上げてくれると思っています。今後も継続していきたい」
田面投手を1軍へ送り出す親心
久保投手コーチは岩崎投手について「段階的にも非常にいいところへ上がってきています。常にいい状態で使っていける。いいかな、悪いかな、ではないですね。いつ呼ばれても今の力、貯えた力を出してくれれば、おのずといい結果が出ると思いますよ」と太鼓判でした。
そして11日に1軍昇格を果たした田面投手の話も聞いています。「きのう(雨天中止になった甲子園の)ブルペンで『非常にいい形で投げていますよ』と香田コーチから連絡がありました。甲子園がいいけど、どこであれ、どんな場面であれ、いいものを出してほしいですね。打たれたとしても、また次も見たいと思わせるような。早く見たいよねえ」と久保コーチ。
「ストライクが取れなくて、真っすぐを1球も投げなかった頃を思い返すと…涙が出そうですね」と言ったら、久保コーチは「僕もですよ。手を変え品を変え、彼の良さを出してあげようと、みんな頑張ってきたから。湯舟コーチも香田コーチも。孝行息子になってほしい」と、少し目がうるんだように見えました。もちろん「田面!田面!」と昨秋から言い続けた掛布監督もでしょう。
ちょっと余談ですけど、田面投手が支配下登録されて背番号『97』になってから、こんなやり取りが行われています。
掛布監督「玉置!玉置!」
田面投手「田面です(笑)」
監督は、記者陣に囲まれている最中でも田面投手が通りかかるとニヤニヤ笑いながら声をかけ、田面投手も毎度のことと言わんばかりの絶妙な間合いで返すんですよね。97の前任者である玉置隆投手(現在は社会人・新日鐵住金鹿島に在籍)にも知らせておかなくちゃ。もちろん「1軍で投げる田面投手を見てください」ってこともですね。
青柳、植田、伊藤隼のコメント
最後に、短いコメントをご紹介します。青柳投手は、きょうはもう投げないだろうと言われていたみたいですけど、点差が開いたため福原投手に代わって9回に登板しました。「最低限のことはできたと思います。フォアボールがなかったのは一番」と言いながらも「(右ピッチャーとして)右バッターには打たれたくないと思っているのに、あんな簡単に打たせちゃダメですね」と反省の言葉が続いています。
6回の守備から出場した植田選手は、コーディエ投手の真っすぐに「めっちゃ速かったですよ!1球目がインコースに来て、怖かった!」と言います。そう、それが最速で156キロでしたもんねえ。結果は154キロに空振り三振。「当てることはできるけど、そこに変化球もあるんで…いってしまいますね」。また2つの併殺にも絡んだ守りに関して「守備はゲームから離れていても全然問題ない。集中していたら大丈夫です」と植田選手。はい、とてもスムーズでした。
この日は、1月末の『右肩関節唇損傷』でリハビリを続けていた伊藤隼選手と、先月下旬の由宇遠征中に右肩を痛めたペレス選手が、揃ってベンチ入り。伊藤隼選手は「もう大丈夫です!」と言っていて、いつでも試合に出られるもようです。守備も?と聞いたら「はい」と即答。試合中、イニング間のキャッチボールでベンチを出る時、戻る時の顔がとっても明るいですね。きっとウズウズしているでしょう。