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30歳デビューの「シンデレラ・ストーリー」はまだ終わらない。サヨナラ本塁打に続き、ランニング本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・メネセス(ワシントン・ナショナルズ)Sep 16, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月に30歳でメジャーデビューした、ジョーイ・メネセス(ワシントン・ナショナルズ)の「シンデレラ・ストーリー」は、まだ終わっていない。

 最初の試合の3打席目に打ったホームランを皮切りに、8月は24試合で6本塁打。打率.333と出塁率.367、OPS.959を記録した。デビュー前のキャリアとデビュー直後の活躍については、「日本でも開花できなかった30歳のルーキーが、デビューから1ヵ月経たずに6本塁打」で書いたとおりだ。

 9月は、16日を終えた時点で、14試合に出場し、3本塁打、打率.307と出塁率.328、OPS.845を記録している。3本のホームランのうち、1本目はサヨナラ本塁打、3本目はランニング本塁打――上の写真は、ホームインの瞬間――だ。

「30チームで最も遅い「今年初のサヨナラ勝ち」。日本でもプレーした30歳のルーキーがホームランを打つ」でも書いたが、9月1日の10回裏にメネセスが逆転本塁打を打つまで、ナショナルズのサヨナラ勝ちは皆無だった。また、9月16日に記録したランニング本塁打は、ナショナルズでは2年ぶり。2020年9月26日のアンドルー・スティーブンソン以来だ。

 まだスパンは長くないものの、メネセスは、チームメイトの誰よりも、よく打っている。50安打、10二塁打、9本塁打、23打点は、いずれも8月以降(8月1日~9月16日)のチーム最多。打率.323、出塁率.352、長打率.561、OPS.913も、このスパンに100打席以上の9人のなかで最も高い。ちなみに、メネセスに次いでホームランが多いのは、7本のルーク・ボイトだ。

 メネセスは、ナ・リーグにおいても、この8部門ともトップ30に位置している。25位タイの打点と29位の出塁率を除く6部門は、いずれも15位以内だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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