センサーが逆さまで墜落したロケット ロシアで起きた痛恨のミスが、環境問題にまで発展?
誰しも仕事で間違いをしてしまったことはあると思います。宇宙開発でも同じで、過去にはちょっとしたミスが大きな騒動に発展してしまった、「プロトンロケット墜落事故」についてご紹介します。
■20トンの打ち上げ能力を持つ「プロトンロケット」
プロトンロケットは、旧ソ連で開発されたロケットで、国際宇宙ステーション等を打ち上げており、現在も使用されています。1965年に初打ち上げに成功しました。
プロトンロケットは2015年までに100機以上打ち上げられていますが、そのうちなんと10基が失敗していて、やや成功率が低めです。そして、過去には不名誉なことで有名となってしまったしくじり事件が発生しています。
2013年、プロトンロケットは測位衛星3基を搭載し、宇宙への打ち上げ準備に入りました。志半ばで失敗したプロトンロケットのためにも、この重要なミッションは何としても成功させたいところでした。
■墜落の原因はセンサーが逆さまに取り付けられていた?
しかし、打ち上げ直後に火だるまになり、30秒後に地上に激突してしまいます。打ち上げ数秒後からブースターが左右に揺れ始め、ロケットの1段目が粉砕されて炎が噴出してしまったとのことです。
なぜこのようなことが起きてしまったかというと、後日の調査により、なんとセンサが逆さまに取り付けられていたことがわかりました。結果として宇宙に飛び立とうとしたプロトンロケットは、なぜか自分が地中に潜っていると錯覚し、急いで宇宙への方針転換を図ったのです。しかし、自ら方向を修正した先は地面の中という末路でした。
しかも、プロトンロケットは燃料にヒドラジンという非常に有毒性の高い材料を使っており、周りの地元住民にとって大きな災害になると懸念されていたんだそうです。しかも、ロシア当局はこの失敗を業務上過失として捜査も開始されたとのことです。
皆さんも、最後の詰めは甘くならないよう油断せずいきましょう。
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