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リーベル守備の要マイダナがアルアインの元鹿島カイオを警戒。「危険な選手であることは分かっている」

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

準決勝で開催国アルアインと対戦するリーベルプレートのマルセロ・ガジャルド監督とディフェンスリーダーのホナタン・マイダナは前日会見に臨んだ。

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度重なるトラブルにより12月9日までずれ込んだコパ・リベルタドーレスの決勝でライバルのボカ・ジュニオルスを破り、南米王者に輝いたリーベルプレート。元アルゼンチン代表MFで2014年からこの名門クラブを率いるガジャルド監督は「(日本開催の)2015年にも出場したが、あの時はコパ・リベルタドーレスに優勝して半年が経っていた。今回は権利を勝ち取ってすぐに大会が来たのでエネルギーに溢れており、同じ選手で臨むことができる」と心境を語った。

しかし、その一方で相手のアルアインも開催国の代表としてすでに2試合を消化していることは「大きなアドバンテージだと思う」とガジャルド監督。「ローカルチーム(アルアイン)は準決勝に進んで良いフィーリングだろう。フィジカル的にもメンタル的にもいい状態だと思う」と難しい試合になることを予想した。

同席したマイダナも「アルイアインは警戒が必要だ。中盤とアタッキングサードがとても速い」と語る。その中でも元鹿島アントラーズのブラジル人FWカイオについて「非常に危険であり、アルアインの中でも重要な選手であることは分かっている。守備をクローズにしてアドバンテージを与えない様にしないといけない」と強い警戒をしめした。

カイオはここまで2試合でゴールこそ奪えていないが、素早くトリッキーなドリブルで何度も相手ディフェンスを脅かし、アルアインの攻撃に勢いをもたらしている。また準々決勝のアフリカ王者エスペランスとの試合では鋭い仕掛けからのクロスで3点目をアシストした。またドリブルで突破を狙うと思いきや、唐突にループシュートを狙うなど意外性に溢れている。個人技の高いFWの対応に慣れているリーベルの守備陣でも一筋縄には行かないだろう。

その上で「ただ、危険な選手は彼だけではないので攻撃陣に注意が必要だ」とカイオに集中するあまり周りのアタッカーにやられない様に準備していくことをイメージしている様だ。ここまで2試合で6得点を記録しているアルアインはエジプト代表シャハト、スウェーデン代表ベリら良質な外国人アタッカーを揃えており、UAE代表クラスの中盤や左サイドバックを担う元日本代表の塩谷司もチーム・ウェリントン戦で得点を決めるなど、どこからでもゴールを狙えるチームだ。

一方のリーベルプレートはマイダナやアルゼンチン代表GKフランコ・アルマーニを中心とした堅実なディフェンスとコロンビア代表MFキンテーロやアルゼンチン代表MFゴンサロ・マルティネス、Jリーグ移籍も噂にあがるエンソ・ペレスなど技巧的な選手が揃っており、いかなる試合展開も考えられる。この準決勝に勝利したチームは翌日にアブダビで行われるレアル・マドリーvs鹿島アントラーズの勝者とファイナルを戦う。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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