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野茂の初勝利◆グリフィーJr.の引退◆幻の完全試合…【6月2日のMLB】

宇根夏樹ベースボール・ライター
イチロー(左)とケン・グリフィーJr. April 5, 2010(写真:ロイター/アフロ)

◆2010年6月2日

シアトル・マリナーズのケン・グリフィーJr.が、選手生活に終止符を打つ。球場には現れず、引退の声明文が発表された。前年は10年ぶりにマリナーズへ戻って19本塁打を記録したものの、この年は開幕から不振が続き、ホームランは皆無。5月には、試合中にクラブハウスで寝ていたと報じられた。ドラフト全体1位でマリナーズから指名されたのは、23年前の同じ日(1987年)。75年前の6月2日(1935年)には、ベーブ・ルースが引退を発表した。通算本塁打は、グリフィーJr.が630本、ルースは714本。

◆2010年6月2日

デトロイト・タイガースのアーマンド・ガララーガが、あと1人のところで完全試合を逃す。27人目の打者にゴロを打たせ、一塁手からの送球を自ら塁上で受けて達成と思われたが、ジム・ジョイス一塁塁審のコールは「セーフ」。試合後にビデオを観たジョイスは、誤審を認めて謝罪した。翌年、ガララーガとジョイスは、ライターと3人で共著「ノーバディズ・パーフェクト(誰も完全じゃない)」を出版した。

◆1995年6月2日

ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄が、メジャーリーグ初勝利を挙げる。7登板目。9回表の先頭打者を歩かせて降板するまで、被安打は2本しかなく、失点はソロ本塁打による1点だけ。日本人投手による白星は、1965年9月30日のマッシー村上(村上雅則)以来30年ぶり。先発投手としては初めて。野茂はこの直前の5月28日に初黒星を喫したが、6月は6登板で6勝。いずれの試合も8イニング以上を投げ、24日と29日は2登板続けて完封を記録した。この年、野茂は新人王を受賞。ナ・リーグの2位は、チッパー・ジョーンズだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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