新時代の売れるキャッチコピー事例集16
売れるキャッチコピーの作り方
驚くほど売れるキャッチコピー事例集13では、売れるキャッチコピーの作り方を事例を交えながら紹介しました。今回も行動心理学を利用したキャッチコピーを考えていきます。
前回のポイントは「脳の空白の原則」「社会証明の原理」を利用する、でした。目を引くキャッチコピーに触れると、「!」や「?」が頭をよぎるもの。特に脳に空白ができるキャッチコピーだと、人を駆り立て、実際に動かすのです。ミステリー小説を読んでいると、真相が究明されるまで読むのをやめられません。同じ心理を利用します。
今回取り上げるテーマは「インパクト」です。秀逸なキャッチコピーは「新規性・新奇性」を訴えます。製品ライフサイクルの4段階「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」を考え、各ステージの購入者像を「イノベーター」「アーリーアダプター」「レイトマジョリティ」「ラガード」と名付けたイノベーター理論を基に考えるとわかりやすいでしょう。「イノベーター」を対象とするなら「新奇性」……つまり、新しさだけでなく「珍しさ」「奇抜さ」を強調します。「アーリーアダプター」をも対象としたいなら、「新規性」……「新しさ」を全面に押し出してインパクトを高めます。
「新規性・新奇性」を利用したキャッチコピーを6種類紹介します。
●「こんな手法があったのか!」
→ 「こんな手法があったのか! スマホを振るだけで簡単ダイエット!」のように使います。「……え! そんな方法があるの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。
●「ついにできました!」
→ 「ついにできました! YouTubeを超える動画共有サービス」のように使います。「……え! そんなサービスが出たの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。
●「もはや~は~の新常識」
→ 「もはや当社の■■はリフォーム業界の新常識」のように使います。「……え! そんな方法があるの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。「新常識」を「新スタンダード」のように変形もできます。
●「常識を超えた発想」
→ 「常識を超えた発想! パズドラで東大が合格する!?」のように使います。「……え! そんな方法があるの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。
●「画期的な~」
→ 「EXILEも採用した画期的なダイエット」のように使います。「……え! そんな方法があるの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。「革命的な~」「斬新な~」のように変形もできます。
●「新時代の~」
→ 「与沢翼も驚いた! 新時代のネット商法」のように使います。「……え! そんな方法があるの?」と相手の知的好奇心をくすぐります。「新世代の~」「近未来の~」のように変形もできます。
……など等。「常識を変えた」「新しい標準、スタンダードはコレ」「未来を先取り」というように、とにかく「新しさ」「普通とは違う」ことをアピールしたキャッチコピーが多いですね。
とにかく「インパクト」!
「新規性・新奇性」も感じられない商品なら、無理やりでもいいので、インパクトを押し出したキャッチコピーで攻めます。「何も強調することがない」という売り手の消極的姿勢はナンセンス。少し気恥ずかしくなるほどのインパクトを考えます。
「インパクト」を前面に押し出したキャッチコピーを10種類紹介します。
●「神々しいほどの~」
→ 「アナと雪の女王をも超えた! 神々しいほどの歌声」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「究極の~」「脅威の~」
→ 「ついに完成! 究極のハンバーグ」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「最高傑作」
→ 「今年のマンゴーは最高傑作」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「とびきりの~」
→ 「とびきりの塩ラーメン、限定20食」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「~以上は控えてください」
→ 「プルーンの最高峰! 美味しすぎるので1日2つ以上は食べないでください」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「業界激震」
→ 「業界激震! 新感覚の海外旅行ツアー」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「~の神髄」
→ 「ネット広告の神髄」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「モーレツに~」
→ 「モーレツに食べたい! 本格的なスイーツ10選」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「最大級の~」
→ 「今年最大級の感謝セール」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
●「劇的に~」
→ 「劇的に効果があるダイエット食品」のように使います。「……そんなに凄いの?」と相手の興味を引きます。
……このように、「最大級」「究極」「脅威」「最高傑作」「劇的」「モーレツ」など等、何にでも応用できるキーワードをいくつか揃えておくことは重要です。慣れれば「強力」「最高」「ベスト」「最上級」「プラチナ級」「極限」「極めつき」……などと、レパートリーを増やしていけます。
キャッチコピーを軽視しない考え方
前回は13種類でしたが、今回は「16種類」のキャッチコピーを紹介しました。あえて「10種類」とか「15種類」といったわかりやすい数字にしなかったのは、前回同様、「事例集16? どうして16なんだろう?」という脳の空白を与えられたら、と考えただけです。「新時代の~」とタイトルに書いてあるので、「どこが新時代なの?」突っ込まれそうですが、突っ込まれそうなぐらいのキャッチコピーでちょうどよいのです。
前回紹介した「脳の空白の原則」「社会証明の原理」などを組み合わせれば、いろいろなキャッチコピーが考えられるようになります。
「ついに完成! AKB48の大島優子さんも『見たことがない!』と驚嘆した、100年先を先取りした超ファッショナブルな絶品チョコレートケーキをあなたに!」
こういうコピーを目にして「いやらしいキャッチコピーだ」と思う人もいるでしょう。実際にキャッチコピーを見て購入を考える人は、キャッチコピーを考えている人に比べて、それほど違和感を覚えないものです。自社の「ブランド」も考慮したキャッチコピーを考えるべきでしょうが、できれば少し気恥ずかしくなるほどのキャッチコピーを考え、挑戦して、反応の効果測定をしてもらいたいですね。