ハンゴウで少量の米を失敗なく炊く「水加減と火加減をわかりやすく簡略化した再現性の高い方法」
長方形のメスティンとアルコール燃料を使っての炊飯が人気ですが、従来型の飯盒(ハンゴウ)でも同じように少量の米を炊飯する事が出来ます。
炊飯で失敗しやすい要素は【水加減と火加減】です。
今回は水加減と火加減を再現性良く簡略化することにより、誰でも失敗なく簡単に飯盒で炊飯できる方法を紹介します。
キャンプなどのアウトドア・レジャーは勿論、災害時などにも役立つと思います。
新型コロナによる外出自粛の気晴らしに、ご自宅のお庭やテラスで行えばアウトドアご飯の雰囲気を味わう事が出来ます。
■ 炊飯に於ける基礎知識 ■
炊飯には米の1.2倍の容量の水が必要(米1合180ccなら水は1.2倍の216cc)
米1合を30分水に浸すと概ね40ccの水を吸う
米1合を1時間水に浸すと概ね50ccの水を吸い吸水量は飽和する
■ 用意する物 ■
飯盒(アルミ製の飯盒なら形状は問わない)
1合が計量できる容器
1個30gのアルコール系固形燃料(炊く米の合数と同じ個数を用意する)
着火用のライターと米
レトルトカレーなど炊飯と一緒に温めて食べるおかず(必要な場合のみ)
■ 炊飯の手順 その1(水加減)■
1合の米を計量して飯盒に入れて水を加えて研ぎます。
研ぎ終えたら適当に水を加えてそのまま30分間浸しておきます。
これで米は概ね40cc程の水を吸います。
浸し終えたら水を良く切ります。(水を切る時は内蓋を装着して行うと米を溢さず上手く行えます)
これで1合の米に40ccの水を加えた状態になりました。
米1合の炊飯に必要な水の量は216ccですので、不足している水は176cc(約180cc)です。
1合の計量カップ1杯は180ccですので、計量カップ1杯の水を追加で加えれば水加減は完了です。
ちなみに、より多くの米を炊く時も同じ要領で、30分水に浸した後に水を良く切ってから米と同じ容量の水を加えればOKです。
尚、浸す時間を1時間にすると米は概ね50ccの水を吸いますので若干柔らかめに炊きあがります。
柔らかなご飯がお好みの方は浸す時間を1時間にすると良いと思います。
■ 炊飯の手順 その2(燃料のセッティング)■
火加減は30gのアルコール系の固形燃料を使えば完全に自動化できます。
この1個30gのアルコール系の固形燃料はホームセンターや100均ショップ等で簡単に入手することが出来る一般的な商品です。
必要な量は米1合に対して固形燃料1個です。
固形燃料をセットした時の鍋底(今回は飯盒)までの距離は固形燃料の高さの半分ほど取ります。
あまり離し過ぎても、逆に近付け過ぎても加熱効率が悪くなります。
熱効率の点から飯盒を真上から見た時に固形燃料が底面からみ出さないように置く事も大切です。
固形燃料は風に弱いので、屋外で行う場合には適当な風よけを用意します。
とにかく固形燃料の周辺を無風状態にすることが大切なポイントです。
風が無い環境なら風よけは必要ありません。
■ 炊飯の手順 その3(炊飯)■
レトルトカレー等の温めたいおかずがある時は内蓋に入れた状態でセットしておきます。
固形燃料に火をつけて飯盒をセットしたら後は火が消えるのを待つだけです。
火は約25分前後で消えますので、蓋が素手で触れられる温度に下るまでそのまま置いておきます。
この時間が蒸らしの時間になります。
蓋が素手で触れられる温度になったら出来上がりです。
飯盒の取説などには、蒸らしの時間は飯盒を逆さにする、との記述もありますが、取り立て逆さにしなくとも上手く炊きあがります。
■ より多くの米を炊飯する時 ■
1合より多く炊く場合には米が1合増えるごとに固形燃料も1個づつ増やします。
例えば米2合を炊く時は1個30gの固形燃料2個を並べて置いて2個同時に着火します。
標準的な大きさの飯盒の場合、飯盒の下にはみ出さないように3個の固形燃料を並べる事が出来ますので、3合までの米を炊くことが出来ます。
今回紹介した方法で無風の屋外にて米1合〜3合までを1個30gの固形燃料を所定の個数使って上手く炊ける事を実際に炊飯して確認しています。
■ この方法で炊飯ができる環境的な条件 ■
無風であること(もしくは風よけを使って無風と同じ状態を作る)
気温が10度以上(それ以下の時は1個35g等の少し大きめの固形燃料を使えば可能)
■ 飯盒の内蓋の使い方 ■
余談ですが、たいていの飯盒には内蓋が付いています。
この内蓋はすり切りで2合の米が計量できる計量カップにもなります。
炊飯と同時におかずなどを温める事にも利用できます。
おかずの温め等に使わないなら炊飯時には取り外してしまっても良いのですが、たとえ内蓋に何も入れていなくとも装着した状態で炊飯した方が飯盒内部の蒸気の圧力がほんの少し上昇するため米が美味しく炊きあがります。
炊飯時には内蓋を取り外して使う旨の説明書きがある製品もありますが、上記のような理由から私はいつも装着した状態で使っています。
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