甲子園のナイターで竹安投手がプロ初勝利!キャンベル選手は3安打5打点《7/21 阪神ファーム》
夏の一大イベント『ウル虎の夏2017』を開催中の阪神タイガース。後半が始まって最初の広島3連戦と25日からのDeNA3連戦で、つまり甲子園での1軍戦が対象です。ところが、ことしはファームでも行われることになりました。1軍が神宮に遠征中の21日から23日までの3日間、甲子園で開催される今季最後のウエスタン公式戦がそれ。チームは1軍選手と同じ“ウル虎イエローユニホーム”を着用し、ファームで異例の試合前イベントもあります。
初日のきのう21日はプレーボールに先がけ、グラウンドで掛布雅之監督のトークショーが行われました。きょう22日は選手によるスピードガン対決で、緒方選手、陽川選手、江越選手が出場し、緒方選手は140キロを超えたそうですよ!また試合に勝てば試合後にヒーローインタビューが予定されていて、きのうは“プロ初勝利”を挙げた竹安大知投手で賞品もゲット。
試合は10対0で、神宮の1軍と同じ10点差をつけての勝利です。キャンベル選手が2ラン、2点タイムリー二塁打、さらにもう1本タイムリーと4打数3安打5打点の活躍!そして竹安投手が6回、リリーフ陣は1イニングずつを投げての完封リレー。これでチームは今季14度目の完封勝ちですが、今月だけを見ると11試合で4試合が完封勝利ってのもすごいですね。
※22日の21時現在で、試合結果を追加します。きょうは4対1で勝ち、6回1安打無失点と素晴らしいピッチングを披露したルーキー・才木浩人投手が“プロ初勝利”!ヒーローインタビューで「きょうは小豆畑さんの誕生日だったんで」という言葉を2度繰り返し、みんなの笑いを…いえ、笑顔を誘っていました。なお新井良太選手、江越大賀選手、陽川尚将選手にホームランが出ています。
では、きのう21日の試合結果と経過をどうぞ。
《ウエスタン公式戦》 7月21日
阪神-ソフトバンク 19回戦 (甲子園)
ソフ 000 000 000 = 0
阪神 003 501 10x =10
◆バッテリー
【阪神】○竹安(1勝3敗)-榎田-石崎-福永 / 長坂
【ソフ】●山田(8勝3敗)(4回)-伊藤祐(2回)-野沢(1回)-島袋(1回) / 栗原
◆本塁打 キャンベル3号2ラン(山田)
◆二塁打 曽根、長坂、キャンベル、真砂、新井
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]中:江越 (4-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .103
2]左:板山 (4-1-2 / 1-1 / 0 / 0) .185
3]右:キャン (4-3-5 / 0-0 / 0 / 0) .271
〃走右:緒方 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .211
4]三:陽川 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .256
5]一:新井 (4-2-0 / 2-0 / 0 / 0) .322
〃一:今成 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .213
6]指:狩野 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .263
7]二:森越 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .206
8]捕:長坂 (2-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .167
9]遊:植田 (2-0-0 / 0-1 / 1 / 0) .204
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
竹安 6回 82球 (5-6-2 / 0-0 / 2.45) 145
榎田 1回 8球 (0-1-0 / 0-0 / 2.91) 139
石崎 1回 17球 (0-2-0 / 0-0 / 4.79) 155
福永 1回 25球 (1-1-2 / 0-0 / 3.27) 147
<試合経過>
打線は3回、先頭の長坂が左翼線に二塁打、植田が送って1死三塁となり2死後に板山が中前タイムリー!続くキャンベルがレフトへ2ランを放って3点を先制します。4回には1死から狩野の遊ゴロが相手エラーを誘い、2死後に長坂が四球、植田は死球で満塁として江越が押し出しの死球、板山も押し出しの死球で2点を追加し、なおも2死満塁。
続くキャンベルが3球目を空振りした際、キャッチャーがファーストへ送球、ファーストの斐紹が一塁走者を追いながらサードで送球するも、その間に植田が生還(記録は植田の盗塁)します。さらにキャンベルが今度は右中間へ2点タイムリー二塁打!この回5点を奪って8対0となりました。6回には長坂の四球と江越の左前打などで2死一二塁として、またまたキャンベルが左前タイムリー!ここで代走を送られ、お役ご免です。
7回には先頭の新井が左中間への二塁打を放ち、四球と内野ゴロで1死三塁となって長坂の二ゴロ併殺崩れ(4-6-3とボールが送られ、一塁がアウト)の間に新井が還って10点目!ちなみにヒットは8本でした。
変わって投手陣。先発の竹安は1回から3回まで、すべて先頭打者にヒットを許しながら0点に抑えます。1回に曽根の右翼線二塁打を浴びるも後続はすべてフライアウト。2回は中前打された釜元の盗塁を長坂が阻止し3人で終了。3回は古沢に中前打され、続く田城を投ゴロ併殺打に仕留め曽根は空振り三振!
4回は1死から斐紹への死球のみ。5回は先頭の三森にセカンド内野安打を許し、四球と犠打で初めて三塁へ走者を進めましたが、あとは連続三振で無失点。6回は2死から真砂に三塁線を破る二塁打を浴びたものの、釜元は二ゴロ。森越の好守備で得点を与えずマウンドを降りています。
7回は榎田が三者凡退に切って取り、8回の石崎も2三振を奪って三者凡退(自己最速タイの155キロをマーク)。9回は福永が登板して、1安打と2四球で2死満塁とピンチを招きながらも、最後は今成が一邪飛をキャッチして試合終了です。
キャンベル選手の大暴れに監督も笑顔
掛布雅之監督はまず竹安投手について「大きく割れるカーブがよかったね。緩急があって。あの球、タテ割れのカーブがあればピッチングの幅も広がる。緩急の使い方がよくなってきたと思うよ。きょうはたまたまホークス打線に長打を打つ選手がいなかったけど、それでも6回0点で、次の登板が楽しみだね。マウンドで落ち着きもあった」と評価しました。
またキャンベル選手には「あんなキャンベルは初めて。ホームランもそうだし、レフト前ヒットはバットの出がよかった。あしたは摂津投手なので、それを打てればね。2、3試合続けていったらチャンスがある。ロジャースと刺激しあえばいいんじゃないかな」と掛布監督。練習においても「キャンベルの方から(鳴尾浜の室内で)バッティングさせてもらえないかと言ってきて、1人で打ったりしている」とのこと。神宮でロジャース選手も打ったというのは聞いたでしょうし、負けていられませんね。
そのキャンベル選手のコメントです。「打席の中で修正ができて、しっかり芯でとらえることができてよかった。3本ともそうですね」。掛布監督は、3本目のレフト前ヒットが特によかったと。「最初の方で真っすぐをとらえきれずにファウルしたのがあったので、打席の中で修正しました」
この3連戦と次の広島3連戦(由宇)の6試合で数字を残せたら1軍へ推薦できるという監督の話を聞き「もちろん、すべてのゲームでいい形をと考えている。オールスター休みを機に、いい状態を続けていきたい」と答えています。この日はキャンベル選手のご両親もスタンドで観戦され、ホームランに笑顔いっぱい。きょうも楽しみですね。
初勝利のボールは「心配している親に」
竹安大知投手は前回登板と同様、何回まで投げるというのは聞いていなかったと言います。6回無失点の結果に「3回まで毎回、先頭を出していたけど後半は少しずつ修正できたことと、ゴロを打たせて取れたのはよかったと思います。ランナー二、三塁の時(5回)も、三振を狙って取れたし」とコメント。その三振はフォークですね?「はい、きょうはフォークがよかったです。いつもはスライダーが多めなんですけど、きょうはフォークがよかったから主体で」
また「カーブでカウントを取れたのもよかった」と、掛布監督絶賛のカーブについての話になりました。「カーブ(のおかげ)で、だいぶ楽になれたと思う。カーブをうまく混ぜてカウント有利にできたのはよかったですね」。このところ投げるたびによくなっている印象の竹安投手。6回をクリアできて、次の目標は?と聞かれ「とりあえず、いいピッチングを続けること」と答えたあと、自ら課題を挙げています。
「きょう、あまり真っすぐで空振りを取れていなかったんです。ファウルはあったけど。そこで追い込めたらピッチングの幅が広がると思うので。意外と球自体がよくなくても、まとめられるようになってきましたが、真っすぐの球速や強さはまだまだです。145キロを常時出して、ランナーを背負った時に140キロ後半を出せたら」
ところで、初めてのヒーローインタビューはどうだった?「いや、ビックリしました。しかもキャンベルだとみんな言っていたので(笑)」。これでもう大丈夫でしょう。「1軍でできるようにしたいですねぇ」。ウイニングボールは今成選手からどう移動したか未確認だけど、ハイタッチの時には福永投手が持っていて、それを掛布監督に渡すのが見えました。監督は「え?」という表情で整列の際に高橋投手コーチへ預けようとして、でも高橋コーチが「監督から」と言ったのでしょう。そのまま持って、最終的に監督から竹安投手へ渡りました。
記念のボールはどうしますか?「親にでもあげようかな。親が一番、心配していると思うので」
この日、LINEのトークは竹安家の家族グループよりも、親戚の皆さん10人くらいが登録しているグループの方で「おめでとう!って、すごい盛り上がっていました(笑)」と竹安投手。嬉しいですね。これからもっと恩返しができますように。
植田選手がトップタイの15盗塁
最後に植田海選手。「4回に三塁から生還したのは盗塁ですよ」と帰り際に声をかけたら「ほんとっすか!?」と顔が明るくなりました。筒井壮コーチも気にしていて、記録を伝えると「でしょ?やった!トップだ」と笑顔。植田選手の方は冷静に「これでタイですね」と言います。そう、ソフトバンクの真砂選手と釜元選手が15盗塁でトップにいて、そこに植田選手が並びました。
だいたい中盤あたりになると差が開いていく印象があり、15盗塁で3人が1位タイって珍しいですね。植田選手がトップにいた時期もありますから、当然狙っていくべきでしょう。
「明日と明後日で、抜きますよ」
真顔で宣言して帰っていく植田選手のその目に、大げさでなく自信がキラリと光っていました。