モンスターハリケーン・マシュー、フロリダ州に上陸か
この事態を誰が想像したでしょうか。
ハリケーン・マシューは、ハイチで約300人の死者を出したのち、さらに勢力をあげて、米・フロリダ州に向かっています。州では非常事態宣言が発令され、150万人に避難命令が出されています。またオバマ大統領も、数日前から警戒を呼びかけています。
ハリケーン・マシューの現況
現地時間6日夜(日本時間7日朝)、マシューの中心気圧は939hPa、最大風速(1分平均)60メートルで、ハリケーンの指標で上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力です。
仮にマシューがフロリダに上陸すると、沿岸部で破壊的な被害が発生する恐れがあります。最大瞬間風速は70メートル、最大雨量300ミリ、さらに巨大な高潮や竜巻の発生が予想されています。
史上最強のハリケーン
フロリダは、全米一ハリケーンの襲来が多い州です。日本でいうと鹿児島県といった感じでしょうか。そのため、過去にも、今回と同じ「4」以上の勢力で上陸したハリケーンがあります。しかし、問題はその上陸位置です。
上の図は、1900年以降「3」以上のハリケーンが上陸した場所をプロットしたものですが、そのほとんどは州の南東部です。そして今回上陸する恐れがある北東部は、ここ100年ほど例がないのです。
宇宙センター直撃の恐れも
この件に関して、懸念されていることがあります。それは、ケネディ宇宙センターが北東部、しかも風と高潮の影響を最も受けやすい島に位置していることです。そして間の悪いことに、今そこには、来月上旬に打ち上げが予定されている、新型の気象衛星があります。カテゴリー4までは耐えられる建物にあるということですが、この衛星はハリケーンの予報精度向上が一目的であることを考えると、実に皮肉のように感じられます。
マシュー上陸予想時間
勢力を保ったまま、7日未明(日本時間7日夕方)頃、フロリダ東部に上陸する可能性があります。その後、海岸線を沿うように、週末にかけてジョージア州、そしてサウスカロライナ州へと進む見込みです。