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今週は「日本海低気圧のあと冬型」が2回

饒村曜気象予報士
日本海低気圧(11月11日21時の予想)

晴れた日曜日

 移動性高気圧に覆われ、ほぼ全国的に晴れて平年並みの日曜日になりました。

 東京では、天皇が広く国民に即位を披露し、祝福を受ける儀式である「祝賀御列(おんれつ)の儀」が青空の下で行われます。

 しかし、全国的な晴天は一日限りのようです。

 週明けは、現在、朝鮮半島から東シナ海では雲がかかっており、この雲の所から低気圧が発生・発達し、日本海に進む見込みです(図1)。

図1 朝鮮半島から東シナ海の雲(11月10日8時20分)
図1 朝鮮半島から東シナ海の雲(11月10日8時20分)

 このため、北陸を中心に雨や風が強まる見込みです(図2、タイトル画像参照)。

図2 雨と風の分布予報(11月11日21時の予報)
図2 雨と風の分布予報(11月11日21時の予報)

 この日本海低気圧は東進し、北海道の東海上で発達しますので、北日本を中心に一時的に西高東低の冬型の気圧配置となり、寒気が南下して、北日本を中心に寒くなります。

週後半の日本海低気圧

 週初めの日本海低気圧のあと、少し暖かくなりますが、週後半は再び日本海を低気圧が通過します。

 週初めの日本海低気圧は北日本を通過する予想ですが、週後半の日本海低気圧は、日本海北部を通って、オホーツク海で発達する予報です。

 このため、日本上空には、今冬一番の寒気が流入してきます。

 日本上空約5500メートルの気温を見ると、北海道北部では氷点下36度と、大雪の目安となる低い温度です(図3)。

図3 上空5500メートルの気温(11月15日朝)
図3 上空5500メートルの気温(11月15日朝)

 週間天気予報を見ても、週半ばのやや暖かい期間があるものの、全国的に週後半は気温が一段と下がります(図4)。

図4 週間天気予報(気象庁発表)
図4 週間天気予報(気象庁発表)

札幌と東京の16日先までの天気予報

 札幌の16日先までの天気予報を見ると、週末以降は最高気温が1桁となり、最低気温はほとんどが氷点下になります(図5)。

図5 札幌の16日先までの天気予報
図5 札幌の16日先までの天気予報

 降水の有無の信頼度は、5段階で一番低いEや二番目に低いDが半分近いのですが、ほとんどの日が黒雲マーク(雨や雪が降りやすい曇り)です。

 そして、今週から来週のはじめは傘のマーク(雨)が入っていますが、それ以降は雪ダルマのマーク(雪)となります。

 新潟など、日本海側の地方は、札幌のように、これから曇りや雨、雪の日が続きますが、東京など、太平洋側の地方では、これから晴れの日が続きます(図6)。

図6 東京の16日先までの天気予報
図6 東京の16日先までの天気予報

 季節はずれの高温や大雨が続いた夏から秋の季節も、晩秋からはほぼ平年並に戻り、東京の16日先までの予報のように、寒い期間、温かい期間を繰り返しながら、冬へ着実に向かっています(図7)。

図7 東京の最高気温と最低気温の推移(11月10日から16日は気象庁、11月17日から26日はウェザーマップの予報)
図7 東京の最高気温と最低気温の推移(11月10日から16日は気象庁、11月17日から26日はウェザーマップの予報)

 寒暖の差が大きい一週間となりますので、体調を崩さないように注意してください。

タイトル画像の出典:気象庁ホームページ。

図1、図2、図3、図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。

図7の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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