札幌の初雪と来週後半の今冬一番の寒気
夏冬同居の衛星画像
気象衛星の画像を見ると、日本の南東海上の南鳥島近海では、台風23号が905ヘクトパスカルまで発達し、平成31年・令和元年(2019年)で一番発達した台風となっています。
台風23号の小さくてはっきりした目は、この海域が未だに夏であることを示しています。
一方で、日本海北部には、寒気の南下に対応した積雲の列が見えます。
ここでは、冬が到来したことを示しています。
タイトル画像の写真は、夏冬同居の画像ともいえます(タイトル画像参照)。
北海道は低地でも雪
季節外れの天気が続いた令和元年(2019年)10月が終わり、11月は平年並みの晩秋となっています。
北海道上空には次々に寒気が南下しており、11月2日には、稚内地方気象台で日本全国で今冬初の初雪が観測されました。
20時10分から22時40分まで霙(ミゾレ)が降ったからで、平年より11日遅く、昨年より12日早い初雪の観測です。
11月5日から6日に南下してきた寒気では、旭川地方気象台では、初雪を観測しました。
3時50分から霙(ミゾレ)が降り始め、14時00分まで断続的に霙(ミゾレ)や雪が降ったためです。
旭川では、平年より14日遅く、昨年より8日早い初雪でした。
札幌市内でも札幌市中央区から約15キロメートル西の、手稲区と西区のまたがる手稲山(標高1023メートル)では山頂付近が雪化粧をし、札幌市中央区にある札幌管区気象台では手稲山の初冠雪を観測しました。
また、札幌市中央区から北東へ5キロメートルほど離れた札幌市東区の丘珠空港では、6時5分から19分まで雪霰(ユキアラレ)を観測しましたので、札幌市内の平野部でも雪が降ったことになります。
しかし、札幌管区気象台では雪どころか、霙(ミゾレ)や雪霰(ユキアラレ)をも観測することなく、小雨の観測であったため、今回の寒気では「札幌で初雪」とはなりませんでした。
札幌の初雪は
旭川に初雪をもたらした寒気が東海上に抜けた後、北海道には前線を伴った低気圧が接近して暖気が入るため、札幌市内は朝から雨か雪、どちらかといえば雨の予報です(図1)。
低気圧が通過したあと、寒気が入って気温が下がりますので、夕方には札幌で初雪を観測するかもしれません。
11月7日に札幌で初雪が降るか微妙でも、その後の寒気で、8日には札幌で雪を観測すると思われます(図2)。
札幌の最高気温と最低気温の予報を見ると、来週前半は気温がやや高くなりますが、来週後半には気温がかなり低くなります(図3)。
これは今冬一番の寒気が南下してくるからで、札幌では初雪が話題になってからすぐに、連日雪という予報になりそうです。
今冬一番の寒気と冬型の気圧配置
来週後半に南下してくる寒気は、今冬一番の寒気で、真冬並みの寒気です。
上空約5500メートルで氷点下24度という寒気は、南下しても津軽海峡まででしたが、東北南部から北陸地方まで南下する予想です(図4)。
札幌では初雪が話題になっていますが、来週後半は連日雪という予報になりそうです。
また、北日本から東日本上空に強い寒気が入ると、地上付近は日本列島の東側が気圧が低くて西側が気圧が高いという、「西高東低の気圧配置」となります。
そして、太平洋側では晴れの天気が続き、日本海側では雨や雪の天気が続きます。
太平洋側の東京では、これから半月位にわたり、お日様マークが続きます(図5)。
そして、16日先までのお日様マークの半分、8日分には5段階評価で一番良い信頼度Aがついています。
11月11日に、黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)もついていますが、この日は、降水の有無の信頼度は、5段階評価で一番悪いEです。
これに対し、日本海側の新潟では、11日以降傘マークが続きます(図6)。
来週は、傘に雷マークの日が4日もあり、雷雨の可能性が高い荒れる一週間と考えられます。
そして、再来週になると、傘の下の雪ダルママークの日が出てきます。
雨の可能性が高いものの、雪の場合もありうるということを示すマークです。
新潟でも、再来週は雪の季節に入りそうです。
タイトル画像、図2、図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図3の出典:気象庁資料、ウェザーマップ資料を元に著者作成。