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間もなくゴング! 4団体統一ライト級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 WBA/WBC/IBF/WBO統一ライト級チャンピオンのデビン・ヘイニー(24)が、フェザーから3階級を制した元WBA/WBC/WBO同級王者、ワシル・ロマチェンコ(35)の挑戦を受ける。間もなくゴングだ。

 2階級制覇を目指す中谷潤人(25)とアンドリュー・モロニ―(32)がセミファイナル、ヘイニーvs.ロマチェンコがメインイベントとして組まれた。

写真:AFP/アフロ
写真:AFP/アフロ

 ヘイニーは29戦全勝15KO、ロマチェンコは17勝 (11KO) 2敗。ウクライナ出身の35歳のロマチェンコは、2020年にテオフィモ・ロペス・ジュニアに敗れて以来、3連勝中だ。

 ヘイニーは、ロマチェンコとは4年前に戦いたかったと、嫌悪感を隠さない。今回も「俺は2019年に9月にWBC暫定王座に就いた。正規王者だったロマチェンコとの統一戦を行う筈だったが、野郎はロペス戦を優先し、俺を袖にしたんだ。その恨みは忘れない。ヤツを引退させてやる」と、鼻息が荒い。

写真:ロイター/アフロ

 昨年6月、ロマチェンコはヘイニーと対戦に合意したが、御存知のように祖国は戦火にさらされている 。ロマチェンコ本人も、家族とともにウクライナの自宅に留まることを余儀なくされた。結局、ヘイニーはジョージ・カンボソス・ジュニアの再戦を受けることになった。

写真:ロイター/アフロ

 TOP RANK社およびESPN社との3試合契約を締結したヘイニーと、彼の父親でありトレーナー兼マネージャーのビルは、ロマチェンコに勝利すれば、ボクシング・マーケットにおいて主導権を握れると豪語する。

 「この競技の若く、ダイナミックなスターの多くがライト級、スーパーライト級でリングに上がっている。ESPNとTop Rankは、シャクール・スティーブンソンとの対戦はもちろん、6月にセットされたロペスとジョシュ・テイラー戦の勝者との戦う可能性を示唆している。また、DAZNに復帰すれば、アマチュアのライバル、ライアン・ガルシアや、最近契約した140ポンド王者レジス・プログレイス戦が実現するかもしれない。つまりヘイニーは、ボクシング界最大のプロモーターやネットワークからのオファーを受けるに違いない。

 PBC/Showtimeを選択した場合、ジャーボンテイ・"タンク"・デービスや、ローランド・ロメロとPPV放送で戦うことも予想できる」

 確かにそうだ。135パウンド、140パウンドが熱くなってきた。今日のヘイニーvs.ロマチェンコ戦は、ファンが3年間切望してきた一戦だ。さて、どんなファイトとなるか。ロマチェンコの平和への願いは、誰に、どのような形で届くのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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