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【サッカーW杯】日本と対戦するポーランドの要注意選手を分析!レヴァンドフスキだけではない

柴村直弥プロサッカー選手
3月27日(現地時間)に行われた韓国戦で決勝ゴールを決めたジエリンスキ(写真:ロイター/アフロ)

 仮想「日本」とした韓国に3-2で勝利したポーランド。欧州予選後の国際親善試合4試合(2017年11月10日〜2018年3月27日)を有効活用し、戦術面での積み上げに手応えを感じている。参考記事:仮想「日本」韓国と対戦したポーランド。勝負強さを発揮し、3-2で勝利。試行しているオプションに手応え

 選手たち個々については、どうしても世界最高峰のストライカーであり、ポーランド代表のキャプテンでもあるレヴァンドフスキに注目が集まってしまうが、レヴァンドフスキ以外の選手たちも個々の能力が高く、レヴァンドフスキ以外の選手の要注意選手にフォーカスしていく。

韓国戦で決勝ゴール。成長著しいジエリンスキ

 相手ペナルティエリア付近から後ろに下がり、味方からボールを受け、左にボールをずらしてシュートコースを開けると、ポーランドの背番号19は迷わず左足を振り抜いた。ボールは美しくも力強い放物線を描き、ゴールに吸い込まれていった。残り時間5分で0-2から2-2に追いついた韓国の選手たちの意欲を削ぐには十分すぎるゴール。ポーランドのナバウカ監督は深く頷いた。

 ピョートレ・ジエリンスキ。セリエA(イタリア)のナポリで、咋シーズンと今シーズン、ほぼすべての試合に出場している23歳のアタッカーだ。

 ポーランドのザグウェンビェ・ルビンのアカデミー時代、U-15(15歳以下)ポーランド代表に招集され、以降、U-16、U-17、U-18、U-19、U-21、フル代表と、各年代の代表に名を連ねた。ザグウェンビェ・ルビンからセリエAのウディネーゼへ移籍し、18歳でセリエAデビューを飾ると、ウディネーゼからローン移籍したエンポリで定位置を獲得し、2015-2016シーズンは35試合に先発出場。2016-2017シーズンからナポリでプレーしている。

「若くて勢いがある選手」ではない

 ジエリンスキのスピードに乗ったドリブル突破、そして23歳という年齢と幼さの残る顔つきで「若い」という印象を持ち、いわゆる「若くて勢いがある選手」という印象を持つかもしれない。日本では大卒2年目の選手と同じ年齢でもある。

 しかし、現時点ですでにセリエAで145試合に出場して、14ゴールを決めており、ポーランド代表でも31試合に出場、4ゴールを決めている。23歳にして「経験豊富」なジエリンスキは、スピードに乗ったドリブルをしつつも、的確なタイミングで味方にスルーパスを送ることも少なくない。そして、韓国戦で利き足ではない左足で鮮やかなゴールを決めたが、左右両足からのミドルシュートも持ち合わせている。ボールを軸足の後ろを通す切り返しを得意とするスピードあるドリブル、タイミングの良いスルーパス、そして左右両足から繰り出されるミドルシュート。守備側は的を絞りづらい。

 ポーランド代表のナバウカ監督は、「終盤の2失点には不満だが、ジエリンスキの出来には満足している」と、韓国戦後に名指しで及第点を与えた。今回のナイジェリア、韓国との親善試合にいずれも先発フル出場したジエリンスキは、ケガなどがなければ、6月のW杯で間違いなく日本との対戦でも脅威になってくるだろう。この3か月で更なる成長をしていく可能性もある。

 

 所属クラブのナポリでは、同じくポーランド代表のFWミリクも所属している。ナイジェリア戦、韓国戦で途中出場し、長期のケガからようやく復調しつつある、同世代のミリクとのコンビネーションにも注意を払っていく必要がありそうだ。

プロサッカー選手

1982年広島市生まれ。中央大学卒業。アルビレックス新潟シンガポールを経てアビスパ福岡でプレーした後、徳島ヴォルティスでは主将を務め、2011年ラトビアのFKヴェンツピルスへ移籍。同年のUEFAELでは2回戦、3回戦の全4試合にフル出場した。日本人初となるラトビアリーグ及びラトビアカップ優勝を成し遂げ、2冠を達成。翌年のUEFACL出場権を獲得した。リーグ最多優勝並びにアジアで唯一ACL全大会に出場していたウズベキスタンの名門パフタコールへ移籍し、ACLにも出場。FKブハラでも主力として2シーズンに渡り公式戦全試合に出場。ポーランドのストミールを経て当時J1のヴァンフォーレ甲府へ移籍した

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