主な新興国/米国経済ニュース(4日)
米ブロードコム、ベースバンド事業部門売却へ―株価急騰
米通信用半導体大手ブロードコム<BRCM>は2日、コスト削減の一環として、同社の携帯端末をセルラー網に接続するために使われるベースバンド・チップ事業部門の売却か、または、閉鎖を検討していることを明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。
同部門からの撤退で、研究開発(R&D)費用と業務費用を中心に年間で計7億ドル(約720億円)のコスト削減が見込まれている。この中にはストックオプション(自社株購入権)の減額分1億ドル(約100億円)も含まれる。同社では4-6月期中に同部門を20億-21億ドル(約2050億-2150億円)で売却したいとしている。これによって4-6月期の利益率は会社予想を上回る見通しだとしている。
このニュースを受けて、同社の株価は2日、一時、13%高にまで急騰し、結局、9.32%高の34.84ドルで引けている。
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米アップル、マックとモバイルの新型OS発表も株価下落
米IT大手アップル<AAPL>は2日、サンフランシスコで開催した「世界開発者会議」(WWDC)」で、パソコン「マック」向けの新型OS(基本ソフト)「Mac OS X ヨセミテ」(バージョン10.10)と「iPhone(アイフォン)などモバイル向けの新型OS「iOS8」を発表したが、株価は終値ベースで0.7%安の628.65ドルと、下落した。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。
同社は、新プログラミング言語「Swift(スイフト)」を発表し、応用ソフトの開発者にとって、今後、アイフォンなどのアップルのモバイル機器向けのソフト開発が簡単にすることが可能になると見られ、ソフトメーカーにとっては朗報だったが、投資家にとってはiOS8の新機能もすでに米インターネット検索大手グーグル<GOOG>のモバイル用OS「アンドロイド」で使われている既存の機能の追加にとどまったほか、目新しいハードウェアも発表されなかったことから失望売りにつながった。
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スズキのインドネシア法人、5日からパキスタンに低価格エコカー輸出へ
スズキのインドネシア法人スズキ・インドモービル・セールズは5日からパキスタン向けに低価格エコカー(グリーンカー)の軽ワゴン「スズキ・カリムン」の輸出を開始する。ジャカルタ・ポスト(電子版)が3日に伝えた。
同社では手始めに月間1200台をパキスタン向けに輸出する計画で、次の段階では、輸出台数を同1500台に引き上げるとしている。輸出契約では年間2万台の供給となっている。
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国土交通省、インドネシアとの次官級協議で5プロジェクトに関心示す
インドネシア運輸省のバンバン・スサントノ次官は2日、先月末にインドネシアで開催された日本の国土交通省との第5回事務次官レベル協議について、日本側はインドネシアで実施される国家プロジェクトのうち、建設費18兆ルピア(約1600億円)が見込まれる高速鉄道輸送網の整備と小規模空港の建設、シンガポールとジャカルタを結ぶ国際高速貨物船「RORO船」を使った海陸一貫輸送、ジャワ州西部のチラマヤ新港整備、首都ジャカルタ郊外にあるスカルノハッタ空港の第3滑走路の建設、自動車用ナビゲーションシステムの整備に関心を示したことを明らかにした。地元経済紙ビジネス・インドネシア(電子版)が伝えた。
この協議では両国政府の関係者のほか、官民連携(PPP)のコンセション方式(建設後、一定期間の独占的営業権が与えられて事業を運営する方式)に参加する可能性がある日本の民間40社の代表も参加して行われた。
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ポーランド中銀、政策金利据え置き―7月経済見通しで金利変更の可能性示唆
ポーランド中銀は3日の金融政策委員会(RPP)で、主要政策金利の7日物レファレンス金利を現行の過去最低水準の2.5%を維持することを決めた。また、中銀は他のロンバート金利と預金金利、再割引金利もそれぞれ4%、1%、2.75%のまま据え置いた。
7日物レファレンス金利は2012年11月の会合で3年5カ月ぶりに利下げに転換して以降、昨年7月の会合まで8回連続して引き下げ、下げ幅も合計で2.25%ポイントに達したが、それを最後に政策金利は変えていない。
中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、前回5月会合時と同様に、「緩やかな景気回復は今後四半期にわたって続く可能性が高く、インフレ圧力も引き続き抑制される見通しから政策金利を据え置いた」と述べている。また、「中銀は(現時点では)2014年7-9月期末まで金利を据え置くべきとの判断を維持する」との文言も変えておらず、今回もこの方針に従って、政策金利を据え置いている。ただ、今回の声明文から、「7月に公表する中銀のマクロ経済見通しに含まれる諸データを分析したあとで、今後の金融政策の見通しについてより一層、総合的に判断し、政策金利を調整する可能性がある」との文言が付け加えられた。
次回の金融政策決定会合は7月1-2日に開かれる予定。(了)