史上5度しかない「初回の先頭打者から3者連続ホームラン」のなかでも、最もレアなのは
9月20日、東京ヤクルトスワローズの1~3番打者、濱田太貴、青木宣親、山田哲人が、1回裏に3人続けてホームランを打った。
初回の先頭打者から3者連続ホームランは、これが史上5組目だ。極めて珍しい。
なかでも、最初のトリオには、2組目以降とは異なる点が2つある。1回表に記録したのは、阪急ブレーブス(1964年7月17日)の3人、衆樹資宏、河野旭輝、ダリル・スペンサーしかいない。また、その試合でチームが敗れたのも、彼らだけだ。
もっとも、この記録はソロ本塁打が3本なので、いずれも計3得点だ。インパクトはさておき、勝負の行方を完全に決めてしまうほどの得点ではない。しかも、1回裏の場合、その前に相手が得点を挙げていることもある。
先日の東京ヤクルトも、試合は終わり近くまでもつれた。9回表に5点を返され、ホームランが出れば同点のところまで追い上げられた。
トリオを構成したメンバーという点からすると、レア度が高いのは、3組目の広島東洋カープ(1989年6月4日)と4組目の中日ドラゴンズ(1995年10月1日)だろう。広島東洋のトリオのうち、2人目の正田耕三は、このシーズンに1本しかホームランを打っていない。中日の3人目、松井達徳も同じだ。
正田と松井を比べると、通算本塁打は44本と6本、シーズン最多は8本と2本だ。主な理由は出場試合数の違いによるものだが、それを含め、松井がいる中日の方がレアではないだろうか。松井は、この3者連続が、キャリア最後のホームランとなった。
ちなみに、東京ヤクルトの1番打者として口火を切った濱田は、これが通算2本目のホームランながら、パワーのポテンシャルは高い。一軍出場はまだ17試合に過ぎず、約半月前に20歳の誕生日を迎えたばかりだ。