「先生」の立場を悪用した性犯罪者たち:なぜ発生する、どう防ぐ
■「先生」たちによる性犯罪
「先生」たちによる性犯罪がなくなりません。
<『先生』の立場利用し少女にみだらな行為 被告に有罪判決:FBS福岡放送1/31>
それは、学校の教員だけではありません。上の報道では、放課後等デイサービス施設(障害のある子供らが放課後や夏休みなど利用できる福祉サービス)経営者が、有罪判決を受けました。
小中校大の教員、福祉施設、塾、宗教、医療、芸術、スポーツ分野などで「先生」と呼ばれる人々。
ほとんどの場合は、純粋な思いで子供若者を愛する人々です。しかし、彼らの中から加害者が生まれています。
なぜ、こんなことが起きるのでしょう。
■子供に関する仕事を選んでしまう性犯罪予備軍たち
犯罪予備軍の人たちの中で、あえて子供に近づける仕事を選ぶ人もいます。
犯罪予備軍と言っても、様々です。最初から犯罪を計画して、その職業に就く人ばかりではありません。
子供に対する歪んだ関心が強い人がいます。はっきりと子供を性の対象にしていると自覚している人もしていない人もいるでしょう。
犯罪を計画しているわけでもなく、子供をいつも変な目で見ているわけでもないのですが、子供のそばにいられることで満足感を感じる人がいます。
子供を性の対象にする幼児性愛者(ペドフィリア)の中には、子ども扱いがとてもうまい人もいます。
本当は彼らは子供から離れていた方が良いのですが、子供に近づける仕事を選んでしまう人もいます。
■先生に対する信頼感の悪用
小さな子供たちは、先生のことが好きです。中高生も、先生のことを信頼しているでしょう。
福祉、宗教、芸術、医療、スポーツ、様々な分野で「先生」と呼ばれる人達は生徒たちから信頼されています。
普通の大人が高校生と二人だけになることはそうそうないでしょうが、先生なら、そんな機会はいくらでもあるでしょう。
生徒たちは、先生の言うことなら聞きます。呼び出せば来るし、残っていないさと言われれば残っています。
犯罪は、犯罪をしたい人がいて、犯罪のターゲット(被害者)になる人がいて、そして犯罪が実行できる環境がそろったところで実行されます。
犯罪予備軍が「先生」になることで、この3つの条件がそろってしまうことがあるわけです。
■周囲の油断、考えられない状況や行為、長期化する犯罪行為
一般に、「先生」たちは社会的にも信頼されています。そんな悪いことをするとは、子供も大人も思っていません。
性犯罪者の「先生」の中には、かなり悪質な人もいます。彼らの行為は、常識では理解できません。
このタイミングで、この場所で、そんなことをするなんて、常識的には想像すらしできないこともあります。
大人も油断しています。子供若者も、あまりのことにショックを受けて、きちんと拒絶することすらできないことがあります。あまりにも信じられい出来事のために、親に言えないこともあります。
親も、話を聞いても信じられないことがあります。周囲の人間ならなおさらです。信じてもらえないことで、それ以上話せなくなることもあるでしょう。
たしかに、子供が作り話をすることはあります。子供が勘違いすることもあります。しかし、常識人の予想を超えた犯罪行為をする加害者もいるのです。
「先生」と呼ばれる人達のことを周囲の大人に訴えて悪人にするのは、大ごとです。今の生活のすべてが壊れる可能性もあります。そう思うと、何も言えず、関係が続いてしまうこともあります。
「先生」の中には、恋愛関係だと勝手に思い込む人もいます。
■被害を防ぐために
どんなに善人でも、どんなに尊敬できる「先生」でも、加害者になる可能性があります。それは、先生や大人を信用しないようにするわけではありません。
先生から何かを学ぶときには、先生への信頼が大切です。しかしそれでも、まれなこととは言え事件が起きることを知りましょう。
どんなに安全運転をしている人も、交通事故を起こすことはあります。その人の車に乗るときにシートベルトをするのは、その人に対する失礼な行為ではありません。
どんなに善人に会計を任せるときも、会計監査など、誰かほかの人のチェックが必要です。それも失礼ではありません。
酷い性被害を与えておきながら、別の点では、良い仕事をしている先生たちもいます。しかし言うまでもなく、被害者を守らなければなりません。
事故や経理の不正が起きることがあるように、性犯罪も起きることがある前提は必要だと思います。
それが、犯行の防止になるでしょし、長期間の隠蔽防止にもなるでしょうし、また被害者が不当に責められることの防止にもなるでしょう。
先生による性犯罪報道。それは、本当に氷山の一角なのだと思います。悩み苦しんでいる子供若者がいます。