【府中市】夏の訪れを告げる、地域に根付いた祭り「すもも祭」
2024年7月20日、21日は大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)で「すもも祭」が行われました。
「すもも祭」。そうです、果物の”すもも”にまつわるお祭りです。その昔源氏が戦勝祈願で大國魂神社を訪れ、勝利のお礼参りの際、神饌の一つとして李子(すもも)を供えたことが由来のお祭りです。
そしてこのお祭りの時に頒布されるのが「からす団扇・からす扇子」。昔、その団扇や扇子で仰ぐことで五穀豊穣や悪疫が治まるという言い伝えから続いているものです。
2024年7月20日、朝の9時過ぎに京王線府中駅からけやき並木通りを通り、大國魂神社へ。駅から神社に続くけやき並木の下を、市外から毎年通っているような2人組、初めての祭りにわくわくしながら話をしているグループなど、楽しみにしている声が様々聞こえてくるのでこちらもどんどんテンションが上がってきます。
そして神社に到着。参道沿いにはさまざまな露店が並んでいました。金魚すくい、射的、りんご飴、お好み焼きなど…。普段はけやきの緑と白い参道で厳かな風景が色とりどりの風景になっていました。境内が近づくと、すもも屋さんが並んでいました。「厄払いにすももいかがですか~?」の威勢の良い声は夏の風情を高ぶらせます。
境内の中は参拝や団扇(うちわ)の頒布を求める人でにぎわっていました。この日は10時近くで30度はゆうに超えていましたが、団扇・扇子を求める方々の熱気も最高潮に達していました。
お参りを終え、団扇、からすみくじの頒布を受けました。頒布を受けるために長い行列に並び、汗をかきながら待っていましたが、団扇や扇子の頒布を受けた皆さんの顔には安どの表情が浮かんでいました。からすみくじは通年頒布がされているものですが、ついその愛嬌があるフォルムに運試しをしたくなり購入。
境内ではすももかき氷が販売されていました。暑さで白けている空気の中に、赤いシロップと緑色のすももが映えていました。子どもも大人も笑顔で美味しそうに食べていました。
帰る頃には露店もさらに賑わっていました。金魚すくいを頑張っているお子さんの姿、鉄板の上でソースが蒸発する音、発電機の音などがお祭り独特の高揚感を煽ります。
大勢の人がお参りをして、からす団扇・扇子の頒布を受け、美味しそうにかき氷を頬張る姿を見て、この祭りが地域に溶け込んでいることを実感しました。
すもも祭りは毎年7月20日です。暑い季節になりますが、古から続く、地域に愛されている祭りの雰囲気を味わいにいらっしゃいませんか?
●大國魂神社:東京都府中市宮町3-1●