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このまま大谷翔平の登板日以外は勝てないと、エンジェルスは100敗を超える!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とブランドン・マーシュ Jul 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月14日、ロサンゼルス・エンジェルスは、2対3でヒューストン・アストロズに敗れた。ここまでの90試合は、39勝51敗(勝率.433)。シーズン全体の162試合では、70~71勝と92~91敗になるペースだ。

 ただ、6月28日以降の14試合は、3勝11敗。大谷翔平が登板した、6月29日、7月6日、7月13日の3試合を除くと、いずれも負けている。

 これからも、大谷の登板日以外はまったく勝てないとは考えにくい。とはいえ、万が一ということもある。

 オールスター・ブレイクまでのあと2試合は、ロサンゼルス・ドジャースとの対戦だ。ドジャースの勝率.659はナ・リーグで最も高く、大谷はこの2試合には登板しない。エンジェルスがドジャースに勝つ確率は、かなり低い。さらに、オールスター・ブレイク後の70試合中、大谷が登板する試合しか勝てなかったとすると、以下のような計算となる。

 70試合の6分の1は、11~12試合だ。大谷が12試合に登板し、エンジェルスがそこですべて白星を挙げても、それ以外の58試合に負けた場合、シーズン全体では、ここまでの51敗と7月15日~16日のドジャース戦の2敗と合わせ、111敗となる。51+2+58=111だ。

 1961年の創設以来、エンジェルスはシーズン100敗に達したことがない。1968年と1980年の95敗が最も多い。

 111敗とまではいかずとも、今シーズンは、球団記録を塗り替えてもおかしくない。夏のトレードで大谷を手放すかどうかは不透明ながら、今オフにFAとなるノア・シンガーガードは、放出が必至だ。マイク・トラウトの腰の具合も、懸念される。

 なお、ドジャースとの2試合を含め、ここからの72試合で勝率.333以上を記録すると、エンジェルスはシーズン100敗を免れる。24勝48敗(勝率.333)なら、シーズン全体で63勝99敗となる。また、勝率.403以上なら、球団記録には並ばずに済む。29勝43敗(勝率.403)であれば、シーズン全体で68勝94敗だ。

 4月27日以降の72試合――残り試合と同数――で、エンジェルスは28勝44敗、勝率.389を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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