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コロナウイルス陽性反応の田嶋幸三・日本サッカー協会会長との「接触」に見解。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
左が田嶋氏。右は森喜朗・前日本ラグビー協会名誉会長(写真は昨年12月)(写真:田村翔/アフロスポーツ)

 日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事は3月18日、前日に新型コロナウイルス検査で陽性だったことを発表した田嶋幸三・日本サッカー協会会長と同じ会議に出席した日について言及した。

 日本サッカー協会の声明によれば、田嶋氏は2月下旬から3月8日にかけ、会議への出席や女子ワールドカップ(W杯)の招致活動などで英国やオランダ、米国へ渡航。14日に発症し、17日午後に検査結果が出た。

 日本オリンピック委員会の副会長でもある田嶋氏は、10日には東京都内でラグビーワールドカップ組織委員会理事会に出席。その会見には岩渕氏ら日本ラグビー協会の幹部数名の参加していた。日本サッカー協会の声明によれば、「発症日の14日までは、濃厚接触とはならないとのこと」だが、ラグビー界への影響も懸念されていた。

 岩渕専務理事は18日、日本ラグビー協会の定例理事会に出席。その後、会見し、冒頭では10日のラグビーワールドカップ組織委員会理事会でリリースされた大会収支に関する談話を残し、田嶋氏に関する質問へは「(自身を含めたラグビー界関係者は)濃厚接触者にはあたらない」との見解を示した。

 

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――組織委員会で算出されたワールドカップの黒字分は約68億円。日本ラグビー協会はこれらを引き継ぎ、大会のレガシー(遺産)を残す事業を展開します。

「組織委員会の理事会で、同・嶋津昭事務局長から資料を用いてお話をいただいた。

(引き継いだ黒字分は)一定の目的のために(日本協会の本丸の会計とは)別で管理をして、経理していく。その承認を、受けております。透明性が一番大事だと思うので、4~6月の間にいまあるレガシー事業の優先順位を決め、どのように使っていくかを審議し、ラグビー振興関係者会議への報告も含めて進めていく。組織委員会の理事会でも発言しましたが、これは組織委員会からの要請と受け止めています。これは開催自治体、キャンプ地の皆さん、ボランディアやファンの皆さんからの重い要請でもあると協議陣で共有したので、透明性が高いしっかりとした計画を作って、実行していきたいです」

――具体的な使い道と内訳について。組織委員会は、レガシー事業の具体的内容を「建て替え後の東京・秩父宮ラグビー場へのミュージアム設置」「ラグビーを通じた地域活性化活動」「日本とアジアでのラグビー振興」の3つと想定。それぞれ20億円規模としていますが。

「その枠(具体的な使い道と内訳など)については、組織委員会が決めるものではなく、ラグビー協会で検討して欲しいということです。その理事会に出席した(日本協会の)理事が5名おりますので、その理事の発言も含め、ラグビー協会の中長期計画に沿ってレガシー事業に活用していく。

 何に使うかの計画を立て、皆さんに納得いただける形で使っていきたいです。(組織委員会の提案した)3つにするかどうかは、決めていないです。組織委員会からも『そこ』で全部を縛るものではないと言われているので、要請や思いについて考えながら、ラグビー協会の理事会内で決めていきたいです」

――なお、この組織委員会の理事会には、今回、新型コロナウイルスの陽性反応が確認された田嶋氏も出席していました。

「私も出席していましたので状況は認識していますが、我々がご一緒にした時期は田島会長が発症された時よりも前となります。我々は濃厚接触者には当たらない認識となります」

 この会見では、各国で話題となっているオリンピック東京大会にも話題が及んだ。岩渕氏は「どうなるかというよりは、現場の人間としては、あることを前提に準備を進める。決定がどうなされるかはわからないことですので、ラグビーだけじゃなく、現場の人間は強化をできる範囲で続けていくという風に考えています」とのみ述べた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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