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絶対に食べておかねばならない 北九州小倉の豚骨ラーメン「濃厚」3軒

山路力也フードジャーナリスト
博多や久留米に負けない豚骨ラーメンが揃う北九州市。

小倉で食べるべき「濃厚豚骨」ラーメンとは

九州の玄関口として賑わいを見せる小倉。
九州の玄関口として賑わいを見せる小倉。

 九州最北端の都市にして、九州の玄関口としても四大工業地帯の一つである北九州工業地帯を擁する場所としても知られる「北九州市」。その中心とも言える「小倉」は新幹線や鹿児島本線などが乗り入れるターミナル駅がある街で、小倉駅を中心に繁華街が広がり多くの飲食店が軒を連ねている。

 北九州は福岡市や他の九州エリア同様に豚骨ラーメンが多いエリアで、小倉にも数多くの豚骨ラーメン店が存在する。その中でも博多や久留米に負けない存在感を持つ濃厚な豚骨ラーメンを実食。小倉でラーメンを食べるなら是非訪れて欲しい店ばかりだ。

30年以上愛されるド豚骨ラーメン『魁龍』

1992年創業と30年以上の歴史を持つ『魁龍』。
1992年創業と30年以上の歴史を持つ『魁龍』。

 1992年に創業し、30年以上ものあいだ人気を守り続けているのが『魁龍』(福岡県北九州市小倉北区東篠崎2-1-6)。久留米出身の創業者がラーメン職人だった父親の味を忘れられず、自らもラーメンの世界へ。久留米ラーメンをベースにオリジナルの濃厚なラーメンに辿り着き小倉屈指の人気店となった。なお創業者のいる『魁龍 博多本店』とは現在別の店となっている。

 前日のスープを種に新たな材料を継ぎ足して作る、久留米ラーメンならではの製法「呼び戻し」で取ったスープは、どっしりとした超濃厚なもの。麺は中細低加水のストレート麺でしっかりと茹できる。食べ手を選ぶ個性の強いラーメンだが、一度ハマるとクセになる唯一無二の味わいだ。

濃厚な豚骨の旨味があふれる一杯『ぎょらん亭』

1946(昭和21)年創業の割烹店をルーツに持つ『ぎょらん亭』。
1946(昭和21)年創業の割烹店をルーツに持つ『ぎょらん亭』。

 1946(昭和21)年に北九州市で創業した料亭『魚藍亭』をルーツに持つ、老舗ラーメン店『ぎょらん亭』(本店:福岡県北九州市小倉北区三郎丸3-6-29)。2018年に創業者の手を離れて新たなスタートを切り、現在は北九州市小倉にある本店の他に支店も展開。2024年9月には福岡市大名に新店をオープンしたばかりだ。

 看板メニューの「十割ラーメン」は、余計な材料は使わずに国産ゲンコツのみを高火力で炊き上げたスープが自慢。臭いや雑味がなく豚骨の旨味と香りだけを凝縮した濃厚な味に仕上がっている。麺も細麺と中太麺から選ぶことが出来たり、鶏ガラスープと豚骨をブレンドした「二八ラーメン」や、圧力釜で濃度を詰めた「どろラーメン」など、多くのオリジナルラーメンも楽しむことが出来る。

濃厚でありながら繊細な味わい『石田一龍』

北九州のラーメンシーンを牽引する人気店『石田一龍』。
北九州のラーメンシーンを牽引する人気店『石田一龍』。

 2010年の創業以来、「北九州ラーメン」を掲げて北九州エリアのラーメンシーンを牽引し続けている人気店が『石田一龍』(福岡県北九州市小倉南区下石田1-4-1)。小倉郊外に本店を構え、北九州を中心に福岡県内外に数多くの支店や暖簾分け店を擁し、海外にも進出するなどその勢いは止まらない。

 久留米ラーメンの製法をベースにしながらも試行錯誤の末に生まれたオリジナルのラーメン。厳選した豚の頭骨やゲンコツを16時間以上丁寧に炊き上げたスープは、最後の仕上げで目の細かな網を使ってしっかりと濾す。時間も手間もかかる作業だが、この工程によって驚くほど滑らかな口あたりになる。超濃厚でありながらも繊細な味わいを持つ奇跡の豚骨ラーメンだ。

 今回ご紹介した3軒はいずれも客足の絶えない人気店ばかり。小倉にはまだまだ美味しい豚骨ラーメンの店がたくさんあるので、自分好みの締めの一杯を見つける一助になりますように。

※写真は筆者によるものです。

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フードジャーナリスト

フードジャーナリスト/ラーメン評論家/かき氷評論家 著書『トーキョーノスタルジックラーメン』『ラーメンマップ千葉』他/連載『シティ情報Fukuoka』/テレビ『郷愁の街角ラーメン』(BS-TBS)『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)『ABEMA Prime』(ABEMA TV)他/オンラインサロン『山路力也の飲食店戦略ゼミ』(DMM.com)/音声メディア『美味しいラジオ』(Voicy)/ウェブ『トーキョーラーメン会議』『千葉拉麺通信』『福岡ラーメン通信』他/飲食店プロデュース・コンサルティング/「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えながら様々な媒体で活動中。

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