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深夜に思わず食べたくなる 北九州小倉の豚骨ラーメン「基本」3軒

山路力也フードジャーナリスト
人は飲んだ後になぜラーメンを欲するのか。

小倉の夜は豚骨ラーメンで締める

小倉には地元密着型のラーメン店がたくさんある。
小倉には地元密着型のラーメン店がたくさんある。

 九州最北端の都市にして、九州の玄関口としても四大工業地帯の一つである北九州工業地帯を擁する場所としても知られる「北九州市」。その中心とも言える「小倉」は新幹線や鹿児島本線などが乗り入れるターミナル駅がある街で、小倉駅を中心に繁華街が広がり多くの飲食店が軒を連ねている。

 北九州は福岡市や他の九州エリア同様に豚骨ラーメンが多いエリアで、小倉にも数多くの豚骨ラーメン店が存在する。その中でも古くから小倉の人たちに愛され続けている、地域密着型の豚骨ラーメン店を実食して厳選。小倉でラーメンを食べるならまず訪れて欲しい店ばかりだ。

屋台気分を満喫出来る『丸和前ラーメン』

小倉の夜の締めといえば『丸和前ラーメン』という人が多い。
小倉の夜の締めといえば『丸和前ラーメン』という人が多い。

 北九州の台所として知られる『旦過市場』で、長年人気を集めているのが『丸和前ラーメン』(福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-24)。屋台として創業したのは昭和33(1958)年頃のこと。2000年代に入ってからは旦過市場の北側に店舗を構えた。明け方近くまで営業しており、小倉の夜の締めといえばココ、という人も多い人気店だ。

 ラーメンはもちろんノスタルジックな豚骨ラーメン。店の外までしっかりと香る豚骨の熟成臭が食欲を喚起させる。塩分強めのスープは飲んだ締めにピッタリ。硬めに茹で上げられた低加水の中細ストレート麺の食感も歯切れ良く。軒先には屋台風のカウンター席もあるので、夜風に当たりながらおでんと一緒に屋台気分を楽しむのも一興だ。

胡椒がほんのり香る熟成豚骨『力ラーメン』

茶褐色の豚骨スープが食欲をそそる『力ラーメン』。
茶褐色の豚骨スープが食欲をそそる『力ラーメン』。

 小倉の繁華街に隣接した『堺町公園』に面した場所で40年近く愛されている店が『力(ちから)ラーメン』(福岡県北九州市小倉北区堺町1-10-15)。飲んだ締めの定番として小倉の人たちに長年愛されている人気店だが、テーブル席や小上がり席もあり、居酒屋のように使っている客も少なくない。

 豚の頭と豚足を炊き上げた熟成臭あふれる茶褐色のスープは、油分が少なく見た目よりもあっさりとした口あたり。胡椒とニンニクが程よく効いてライトボディのスープに深みを与えている。ボソッとした食感の自家製麺はスープとの絡みも良い。卓上に置かれた紅生姜やおろしニンニクを投入してフィニッシュ。

しっかりと乳化した豚骨スープ『万龍』

ラーメンも唐揚げも根強いファンが多い『万龍』。
ラーメンも唐揚げも根強いファンが多い『万龍』。

 小倉の夜の繁華街、紺屋町に程近い場所で、深夜まで客足が絶えない人気店が『万龍(ばんりゅう)』(福岡県北九州市小倉北区古船場町7-8)。2つのカウンターが背中合わせに配された店内はいつも賑わいをみせている。店主の物腰柔らかな接客も多くのファンをつかんでいる地域密着店だ。

 ノスタルジックなビジュアルのラーメンながら、しっかりと乳化したフルボディの豚骨スープが白眉。しっかりと茹できった細麺もスープと見事に調和して一体となっている。ニンニク油を加えるとさらに味わいにパンチが増す。唐揚げも名物なのでお腹に余裕があればぜひオーダーして欲しい。

 今回ご紹介した3軒はいずれも深夜まで客足の絶えない人気店ばかり。小倉にはまだまだ美味しい深夜ラーメンの店がたくさんあるので、自分好みの締めの一杯を見つける一助になりますように。

※写真は筆者によるものです。

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フードジャーナリスト

フードジャーナリスト/ラーメン評論家/かき氷評論家 著書『トーキョーノスタルジックラーメン』『ラーメンマップ千葉』他/連載『シティ情報Fukuoka』/テレビ『郷愁の街角ラーメン』(BS-TBS)『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)『ABEMA Prime』(ABEMA TV)他/オンラインサロン『山路力也の飲食店戦略ゼミ』(DMM.com)/音声メディア『美味しいラジオ』(Voicy)/ウェブ『トーキョーラーメン会議』『千葉拉麺通信』『福岡ラーメン通信』他/飲食店プロデュース・コンサルティング/「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えながら様々な媒体で活動中。

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