美しく聡明な皇后雅子さまが新時代の日本人女性のイメージを一新した
令和時代初の国賓としてトランプ大統領夫妻を迎えた4日間の日程が、無事に終了した。滞在中、相撲観戦、ゴルフ外交、炉端焼き店での非公式夕食会など、さまざまなシーンにスポットが当たった。
その中でも私が注目したのは、皇后雅子さまの存在感だ。天皇陛下を立てながらも絶妙な塩梅での存在感が素晴らしかった。
優しくて温かみのある笑顔、美しく上品な立ち居振る舞い、メラニア夫人への気遣いなどはもちろんのこと、通訳を介さずともリラックスした雰囲気でコミュニケーションを楽しまれ、トランプ夫妻を前にしてもまったく引けを取らず堂々とした対応はさすがは元外交官、あっぱれの一言だ。
通訳者の出る幕なし
5月27日付けの『The Japan Times』紙は、「天皇皇后両陛下がトランプ大統領夫妻を英語で出迎えたことは君主制の変化の表れ」という見出しで、両陛下が皇室外交で新風を吹かせたことを讃えている。
「マサコ妃はスターだった」
また、同日付けの『New York Times』紙は、「トランプ氏の日本への訪問でマサコ皇后にスポットライトが当たった」という見出しの記事を発表。「新しい日本の皇后陛下はスターだった」と報じた。
同紙は以前、「籠の中の皇太子妃」という見出しの記事で、皇后雅子さまのこれまでを紹介したこともあるが、今回の報道では以下のように紹介している。
記事の中では、これまでのお世継ぎ問題により皇后陛下(当時は皇太子妃)が鬱状態となり、2004年より公の場から姿を消したことにも触れ、それらを乗り越えてのスポットライトだと紹介した。
また京都外国語大学の教授、根本宮美子氏のコメントとして、このようにも触れた。
海外で日本女性と言えば、小柄で細くてかわいらしく、おとなしくていつもニコニコしているイメージを持っている人も多い。それは、長年のブームになっている日本のアニメやコスプレなどサブカルチャー、J-POP、YouTubeなどの影響もありそうだ。一方で「確かにかわいいんだけど、正直な意見を言わずに気持ちを隠すから何を考えているかわからない」「暖簾に腕押しな感じで物足りない」というイメージを持ち始めているアメリカ人もいる。
今回のトランプ大統領の訪日で、雅子さまのご活躍ぶりも世界中に配信された。「かわいさだけではない、知的で聡明な日本人女性」のよいアピールになったのではないだろうか。
(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止