「え？　ここ、泉佐野ですよね？」

「泉佐野駅の看板なかったんですわ～」。

そう話すのは、「鉄道模型・レンタルレイアウト レールウェイ トイボックス」店主 の三好 仁(みよし じん)さん。

どうやら「泉佐野の駅看板がなかった…」というお話らしい 。

泉佐野市旭町にある「鉄道模型・レンタルレイアウト レールウェイ トイボックス」は、南大阪唯一の鉄道模型の大型レンタルレイアウト店。

日本で人気の＊Nゲージを6線同時に走らせることができる電車好きにはたまらないスポットです。

＊Nゲージ：レールの間隔が9mm、縮尺1/148-1/160の鉄道模型規格の総称

こぢんまりした店舗に面積4700×2000のレンタルレイアウトの光景はまさに圧巻。入店直後から魅力的すぎるその眺めに心を奪われます。

どこか懐かしい街並みに、消防署やデパート、緑豊かなトンネルなども再現され、普段見ることのできないジオラマの世界観に思わず「かわいい！」と叫んでしましました。ここはまるごとフォトジェニックな場所。

お！ラピート！すこし前の“peach×ラピート ハッピーライナー”は、見覚えのある方も多いのでは？

トンネルを抜ける「加太めでたいでんしゃ」と「ラピート」の夢のコラボも実現！

ほかにも店内では鉄道模型やグッズの販売、完成型の模型の展示などもおこなっており、ショップ利用や見学だけでもOKとのこと。

昔懐かしいデザインの「方向幕」や「駅名標」なども飾られ、鉄道マニアやレトロ好きはもちろん、はじめて訪れた人でも楽しめる空間となっています。

店主の三好さんは、生まれも育ちも泉佐野で生粋の「さのっこ」。

先代から受継いだ釣具店を経営するも、大病を患ったことがきっかけで廃業へ。役場の方とのつながりも深く、「プラレールを展示してみないか？」と声をかけられたことを機に、鉄道模型の世界へ足を踏み入れたといいます。

“活気を失った泉佐野の町興しになれば…”と空き店舗の紹介を受け、2カ月かけて内外装のリフォームと、ジオラマを一人で作り上げたそう。

「鉄道マニアの方に助けていただき、なんとかここまで仕上げることができました。量産されている鉄道模型は、価格では大型店に敵いません。うちは地元の南海電鉄の車両を中心に、ほかでは見ることのできない古い時代のレアなものを集めています。『ここにしかない模型がある』と九州や千葉からもお客さんが来てくれるんですよ」。

今では見ることのできない“希少価値の高い模型”にマニアも唸るのだとか。

「実は、奥にショップがあるんです」と三好さん。

「本来であれば通りに面した側にショップ、奥に鉄道ジオラマを配するべきなんでしょうけど…通りすがりの地域の人にも覗いてもらいたくて。まー、お人よしなんですわ。損して得とるタイプですわ 笑。“泉佐野愛が強すぎる”とよく言われます。頼まれたら断れないタイプですね」。

そんな三好さんは、こんな素敵なご縁もあったようです。

台風の日に迷い込んで来た、というネコちゃん。

名前は「シロ」と名付けたのだそう。

「陰ながら地域の人のお役に立ちたいと思っています。電車が人とのご縁を運んでくれる。なんか不思議です」。

各鉄道会社の社員さんも遊びに来るという「鉄道模型・レンタルレイアウト レールウェイ トイボックス」。

“子どもお断り”のジオラマ専門店も多い中、4、５歳から利用可能だそう。

南大阪唯一のおもしろスポットは、おもろい店主のいる”大阪ならではのレトロでレアな鉄道ジオラマスポット”でした。

三好さんフォトギャラリー