子供が思春期に問題を起こしやすい親のタイプ。そして改善方法
思春期に問題を起こしやすい子がいます。その問題が、大人になって爆発する人もいます。そのような子達を育てやすい親のタイプもあります。まず知ることとが、問題解決の第一歩です。
■あんなに良い子だったのに
少女誘拐監禁事件で逮捕された男。報道によれば、もともと成績もよく、スポーツもできて、優しい子だったと言われています。世間が驚くような事件が起きた時に、普通の子だったのに、良い子だったのにと言われることは、珍しくありません。
良い子だったのに、思春期の頃に挫折を経験します。そして不本意な青年期を送ります。「こんなはずではなかった」と思い悩み、ひきこもったり自己破滅的な犯罪に走ったりすることもあります。
■思春期挫折症候群
思春期挫折症候群は、1980年代に提唱された医学的概念です。高校受験失敗や、失恋、中高での学校不適応など、思春期の大きな挫折体験から生まれる症状です。
神経症(ノイローゼ)的な諸症状(不安、対人恐怖、強迫行動など)、抑うつ、家庭内暴力、不登校、家出、引きこもり、思考障害、意欲障害、退行(子供帰り、赤ちゃん帰り)などの症状が見られます。
挫折による反応性の精神疾患(挫折したことが原因で起きた心の病)ですが、挫折は誰もが経験することです。思春期挫折症候群になる人は、過敏性と耐性欠如(我慢強さがない)と挫折経験が重なることで、心の問題を起こします。
■思春期の挫折
思春期に挫折を経験する人は多くいます。小さい頃は、少し頭が良い、少しピアノが弾けるといったことでもチヤホヤされますが、成長した後で高評価を得続けるのは難しいことです。
大人になってからピアノで褒められるためには、かなりの腕が求められます。
受験の失敗もあります。受験に成功しても、入学した一流校ではもう優等生と呼ばれないこともあります。その地域で一番偏差値の高い高校には、各中学校のトップの成績の子が入学してきますが、どんな進学校にも成績1番もいれば最下位もいます。
スポーツの挫折、人間関係での挫折もります。勉強同様、中学校ではトップだった子でもスポーツ強豪校に入学すれば、レギュラーにすらなれないこともあります。スポーツ推薦で入学したのに、怪我をしてスポーツが続けられなくなることもります。
思春期には挫折がつきものなのです。多くの人は、一度は挫折しても、そのあとは自分なりの人生を歩んでいきます。
ところが、本人の過敏性が高かったり、我慢強さや柔軟性が足らないと、問題が大きくなり、思春期挫折症候群に陥ることもあります。
■思春期挫折症候群の進み方
まずは軽い神経症的な心身の不調が起きます。そして元気がなくなって抑うつ的になります。次に、様々な逸脱行動が始まります。怠学(なまけ、成績低下)、嘘、万引き、アルコールや薬物(シンナー、覚醒剤)、リストカットなどの自傷行為、暴力、自殺、売春、家出などです。
このような逸脱行動と共に思考障害も出ます。考えがまとまらなかったり、衝動的な極端に走ったり、妄想的な思い込みが起きることもあります。
こうしているうちに、次第に元気を失って、意欲障害、退行へと至り、無為な生活が始まります。元気で前向きな若者とは正反対の生活です。
思春期は危ない時期です。こうならないために、こうなってしまった子の改善のために、親ができることがあります。
■思春期の子供が問題を起こしやすい親と子の性格タイプと養育態度
○性格タイプ
思春期挫折症候群に限らず、様々な心の問題を起こしやすい親子それぞれのタイプがあります。
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