Yahoo!ニュース

4シリーズとも1勝1敗は史上初。勝てば「王手」の第3戦で投げ合うのは、キングとビューラー、カッブと…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・カッブ(クリーブランド・ガーディアンズ)Sep 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のディビジョン・シリーズは、いずれも、2試合を終えて1勝1敗となっている。これは、史上初だ。

 4シリーズとも2勝0敗/0勝2敗は、1995年、2007年、2008年に起きている。ちなみに、計12シリーズ中、0勝2敗から3連勝は、1995年のシアトル・マリナーズだけだ(他の年も含めると、0勝2敗→3連勝は唯一ではない)。このシリーズについては、6月に「殿堂選手が持っていた球団記録を、5シーズン未満で上回る」で書いた。

 また、1勝1敗となった過去のディビジョン・シリーズについては、こちらで書いた。

「ドジャースとパドレスの1勝1敗はどちらが有利なのか。ホームで○●とアウェーで●○」

 ここから、第3戦の先発マウンドに上がって投げ合うのは、ショーン・マネイア(ニューヨーク・メッツ)とアーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)、マイケル・キング(サンディエゴ・パドレス)とウォーカー・ビューラー(ロサンゼルス・ドジャース)、セス・ルーゴ(カンザスシティ・ロイヤルズ)とクラーク・シュミット(ニューヨーク・ヤンキース)だ。

 あとの1シリーズは、アレックス・カッブ(クリーブランド・ガーディアンズ)が確定しているものの、デトロイト・タイガースの先発投手は決まっていない。

 彼らが記録した、今シーズン、後半、直近5登板の防御率に、直近の登板のイニングと自責点は、以下のとおり。ワイルドカード・シリーズで投げている3人、マネイア、キング、ルーゴの直近5登板は、レギュラーシーズン最後の4登板とワイルドカード・シリーズの1登板だ。

筆者作成
筆者作成

 カッブは、今シーズン、メジャーリーグで3度しか登板していない(上のリストの防御率は、今シーズン、後半、直近5登板のいずれも、3登板の数値)。8月9日と14日、9月1日がそうだ。その後は、マイナーリーグでの登板もなかった。ポストシーズンで投げるのは、タンパベイ・レイズ時代の2013年以来となる。

 タイガースの先発投手は、ワイルドカード・シリーズの第1戦がタリック・スクーバル、第2戦がタイラー・ホルトン、ディビジョン・シリーズの第1戦がホルトン、第2戦はスクーバルだ。ホルトンの1登板目は、2イニング目以降もリリーバーがつないでいった。ブルペン・ゲームだ。2登板目は、1アウトも取れずに降板し、ホルトンと交代したリース・オルソンが5イニングを投げた。

 どのチームも、第3戦に勝つと、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出まであと1勝となる。1995~2023年のディビジョン・シリーズにおいて、2試合を終えて1勝1敗は、49シリーズを数える。そこから、第3戦に勝った49チームのうち、73.5%の36チームは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに進んでいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事