新たに発生する熱帯低気圧の動向に要注意、台風への発達懸念も
新たな熱帯低気圧が発生し、沖縄の南へ
タイトル画像をみると、フィリピンの北部付近にあるまとまった雲域が熱帯低気圧と解析されていますが、今後、フィリピンに到達し、消滅する見込みです。
一方、日本の南方にある雲域は今のところ、低圧部と解析されています。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定出来るようになると、台風のたまご、熱帯低気圧に名前が変わります。
気象庁の予想天気図によると、この低圧部は今夜12日(水)午後9時までには熱帯低気圧に変わり、あす13日(木)にかけて、北緯20度付近を西寄りに進む見込みです。
その後、熱帯低気圧はあさって14日(金)頃には沖縄の南付近に到達する予想で、この頃までに台風への発達を見込む計算も多くなっています。
台風となり、沖縄へ北上も?
上図は日本のアンサンブル予報の一部を抜粋したもので、ともに16日(日)午前9時の予想図です。
左の予想図aは最も熱帯低気圧の発達が弱いパターンですが、それでも活発な雨雲が沖縄方面に広がる予想です。真ん中の予想図bは台風の勢力に届く予想で、右の予想図cは中でも最も台風を発達させている計算となっており、より活発な雨雲が沖縄方面に広がる予想です。
最新のアンサンブル予報では、おおむねb~cに相当する計算が多数を占めている状態で、週末には沖縄の南に台風がある計算が多数派となっています。
なお、その後の進路は台湾付近を北上する計算が多く、さらに東寄りを北上し、沖縄方面を指向する計算も徐々に増えているようです。ただフィリピンを横切り、そのまま南シナ海へ進む計算もあり、週明けにかけての動向はまだかなりの不確実性を伴っています。
今後、熱帯低気圧が発生した場合、台風への発達を見込む情報が気象庁から出されるかもしれません。当面、沖縄方面は要注意です。
海水温高く急発達の懸念も
上図は気象庁が発表している海水温の状況です。
大型で猛烈な台風14号の北上などの影響により、9月末の海水温はかなり下がっていましたが、このところ再び平年より高くなっており、新たな熱帯低気圧が進むであろう沖縄の南からフィリピン東方の海上は29度以上となっています。
台風の発達は海水温の高さだけではありませんが、熱帯擾乱が強まるには十分な海水温の高さとなっており、急発達の懸念もありそうです。