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【日本橋三越本店・三重展】約380年の時を過ごしたこし餡と求肥が織り成す「関の戸」は、一子相伝の味

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

三重県は亀山市にお店を構える「深川屋陸奥大掾」さん。

現在は14代目ご夫妻が、積み重ねられてきた技術や歴史と真摯に向き合いながら、更なる可能性を広げるような新しい息吹を、銘菓「関の戸」をベースに、2021年に立ち上げたカフェやドーナツといった新しい商品に吹き込んでいます。

積恋雪関扉
積恋雪関扉

今回は、通常の和三盆味の関の戸と、三重県の特産品のひとつでもある倭橘(やまとたちばな)という果実を使用した関の戸がセットになった商品「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」をご紹介。

和三盆
和三盆

粉雪のようにたっぷりと和三盆を纏った求肥とこし餡。こちらは代々受け継がれる一子相伝の技が活きる、まさに伝統芸能といっても可能ではない技術がなせる代物。

はらはらと静かに溶けていく和三盆の奥から現れる、ほっこりするのに重厚感をも感じられる美味しいこし餡。もちりとした求肥と一緒にいただけば、口の中は三位一体の幸福感に包まれます。

和三盆、といいますとちょっとリッチな雰囲気もあり身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、世代関係なく好まれる味わいかと思います。

倭橘
倭橘

そしてもう一方。

日本古来より存在しているという果実、「大和橘」。深川屋陸奥大掾さんがお店を営む三重県では天然記念物に指定されている樹木もあるというほど歴史ある柑橘類です。

大和橘は種が多く、ドレッシングやポン酢、洋菓子など果汁を使用したお土産や特産品が多く見られます。ですので、このようなお茶の席にも相応しい和菓子で頂けるのはとっても貴重。

単純な爽快感とはまた異なるほろ苦い香り、そして倭橘特有の柑橘類なのに花のように気高い香り。餡子に混ぜこむのではなく、果皮をパウダー状にして和三盆と合わせたっぷりと纏わせることにより、甘味ではなくかぐわしさがより強調され、そこがまた中のこし餡とのコントラストを演出しています。

和三盆と倭橘のパウダーがたっぷり
和三盆と倭橘のパウダーがたっぷり

ぎゅっと包まれたこし餡
ぎゅっと包まれたこし餡

通常の関の戸と食べ比べてみるとよくわかるのですが、ほっこりするやさしくてまろやかな甘味の関の戸と、静謐な大人のひとときに浸れるような倭橘の味わいの対比が面白い組み合わせです。

お茶席にも非常に好まれるという関の戸。倭橘の優雅な香りは、確かに抹茶との相性もよさそうです。もしくはお酒…

永遠に香るとも表現されるという倭橘。

その強かな香りの良いところを残してぎゅっと凝縮した関の戸を、大人の寛ぎのお時間のお供にぜひ。

可愛らしい個包装
可愛らしい個包装

プレゼントにも喜ばれそうな外箱
プレゼントにも喜ばれそうな外箱

こちらは三重県の本店のほか、本日2023年4月5日~4月10日迄開催の【日本橋三越本店・三重展】でも購入可能となっております。

<深川屋>

公式サイト(外部リンク)

三重県亀山市関町中町387

0595-96-0008

9時~18時

定休日 木曜

<日本橋三越本店>

東京都中央区日本橋室町1-4-1

本館7階

03-3241-3311

東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩1分

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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