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今年の阪神のように「無敗でCSを勝ち上がったチーム」は日本シリーズでも強かったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
阪神甲子園球場 Sep 14, 2023(写真:アフロ)

 阪神タイガースは、クライマックス・シリーズ(CS)のファイナル・ステージで広島東洋カープをスウィープし、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 CSを無敗で勝ち上がり、日本シリーズへ進んだのは、今年の阪神が延べ12チーム目だ。ここには、2014年の阪神も含めている。全勝ではなく、ファースト・ステージの第2戦に引き分け、ファイナル・ステージは、相手の読売ジャイアンツがアドバンテージの1勝を手にしていたが、阪神が敗れた試合はなかった。

 一方、2019年の福岡ソフトバンク・ホークスは、含めていない。ファイナル・ステージは、2014年の阪神と同じ(●)○○○○ながら、その前のファースト・ステージの第1戦に黒星を喫している。

筆者作成
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 CSで無敗だった過去の11チーム中、日本シリーズでも無敗のまま優勝を飾ったのは、2020年の福岡ソフトバンクしかない。

 日本シリーズ優勝も、ほぼ半数の5チームだ。2007年の中日ドラゴンズ、2011年の福岡ソフトバンク、2015年の福岡ソフトバンク、2020年の福岡ソフトバンク、2021年の東京ヤクルト・スワローズがそう。2021年の場合、セ・リーグの東京ヤクルトだけでなく、パ・リーグのオリックス・バファローズもCSで無敗。両チームとも、CSは(○)○○△だった。

 CSで無敗かどうかは、日本シリーズ優勝とは無関係のようだ。2014年の阪神、2018年の広島東洋、2022年の東京ヤクルトは、CSから日本シリーズにかけて続いていた無敗の連勝が止まったところから、4連敗を喫した。ただ、CSの無敗から一転し、日本シリーズで全敗のチームはない。

 少し違うが、メジャーリーグでは、2007年のコロラド・ロッキーズが、ディビジョン・シリーズとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで7勝0敗(3勝0敗と4勝0敗)ながら、ワールドシリーズでは0勝4敗に終わっている。ちなみに、この年のロッキーズには松井稼頭央がいた。

 なお、パ・リーグのプレーオフでは、4チームが一度も負けることなく日本シリーズへ進んだ。1974年のロッテ・オリオンズ、1979年と1980年の近鉄バファローズが○○○、2006年の北海道日本ハム・ファイターズは(○)○○だ。日本シリーズ優勝と敗退は2チームずつ。1974年のロッテと2006年の北海道日本ハムは、どちらも日本シリーズで中日を倒した。1979年と1980年の近鉄は、2年続けて広島東洋に優勝を阻まれた。近鉄の日本シリーズ優勝は皆無だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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