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残業を大幅に削減したければ、オフィスのパソコンをすべてタブレットに置き換えよ!

横山信弘経営コラムニスト
すべてのパソコンをタブレットに変えるだけで劇的に残業が減る!(写真:アフロ)

■パソコンの前で、そんなに仕事をすることがあるのか?

私は現場に入って、目標を絶対達成させるコンサルタントです。目標を達成させるためには、以下の2つの事柄を突き詰める必要があります。

● 目標達成に関係のある活動量を増やす

● 目標達成に関係のない活動量を減らす

仕事と生活の調和「ワークライフバランス」が求められる昨今、上記の事柄は高次元なレベルで求められます。限られた労働時間で成果を出す必要があるからです。いつも私はコラムやセミナーで「目標達成に関係のある活動」とは何なのかを発信していますので、今回は特に「目標達成に関係のない活動」とは何か、について考えたいと思います。

「目標達成に関係のない活動」について考えたとき、私がここ数年、特に気になっているのが、「パソコンでの作業」です。私は以前、IT企業にいたので、当時パソコンの前で仕事をすることに違和感を覚えたことがありません。オフィスにいるほぼ全員が、パソコンの前に座ってせわしくキーボードを叩く姿が日常の光景でした。

しかし経営コンサルタントとなって12年。かぞえきれないほどの企業のオフィスに出入りし、現場で仕事をしていて強い違和感を覚えるのが、IT企業でもないのに、オフィスワーカーのほとんどがパソコンの前に座って仕事をしている事実です。純粋に、「パソコンの前でそんなに仕事をすることがあるのか?」と突っ込みたくなるのです。

■パソコンで「何か」をしていると、仕事をした「気分」になる。

総務部であろうが、企画部であろうが、営業部であろうが、職種を問わず、どんな企業でもオフィスワーカーたちは、みんなパソコンの前に座って「何か」をしています。その「何か」とは一体なんなのかがわかりませんが、気を付けたいのは、

パソコンで「何か」をしていると、仕事をした「気分」になる。

ということです。

オフィスワーカーにパソコンが必要なのはわかりますが、そんなに1日中、パソコンの前に座って仕事をすることがあるのだろうかと思います。これは純粋な疑問です。パソコン等ないほうが、もっと労働時間が短くなるのではないか。もっと人が少なくて済むのではないか。もっと組織内コミュニケーションが活性化するのではないか、と思えてなりません。

ちなみに私はほとんど毎日、日中は、どこかの企業でコンサルティングをするか、講演や研修をしています。ホワイトボードを使って話し、全員に手書きのメモをとってもらいながら議論するというスタイルをしています。ですからパソコンは使用しません。コンサルティングセッションが終わってから、短い時間で日々送られてくるメールの処理をし、移動時間などでコラムやメルマガの執筆をするぐらいです。

ところが、私もたまにオフィスに1日いると、ずーっとパソコンの前に座っています。そこで「何か」をしているのです。もちろん何か仕事に関わることをしているのですが、後で振り返ってみると、何をしたのか思い出せないようなことばかりだったりします。サボっているつもりはないのですが、おそらくその「何か」をしなかったとしても、困ることではないでしょう。

■もしもパソコンを、すべてタブレットに変えたなら

パソコンの前にいるから、この得体の知れない「何か」が生まれてくるのではないか。パソコンが半日故障しても大幅に作業が遅延するわけでもない人は、特にその傾向が強いと言えるでしょう。急に体調を崩して休んでも、職場にまったく迷惑がかからなかったという人はいませんか? それと同じです。

ここで提案です。

オフィス内のパソコンをすべてiPadのようなタブレットにしてみてはどうでしょうか。できる限り周辺機器をつけずに、オフィスワーカー全員に渡します。キーボードは諸悪の根源ですから絶対になしです。タブレットを置くスタンドもなし。全員、タブレットを手に持って仕事をするのです。そうなるとどうなるか?

● タブレットを持ち続けるのがキツイ

● タブレットを持ちながら長時間座っていることにも違和感を覚える

● パソコンで「何か」をしているときより、はるかに手を動かす量が少ないので仕事をしている「気分」を味わえない

● タブレットでは仕事にならないので、パソコンに戻してほしいという「気分」になる

組織の『目標達成に関係のある活動』をしているのであれば、少しぐらい慣れなくてもタブレットで仕事をするのに、それほど支障はないでしょう。しかし、組織の『目標達成に関係のない活動』――すなわち仕事をしている「気分」だけを味わえる活動をするには、タブレットは向いていません。確実に周囲の目が気になるはず。

なぜか?

手を忙しく動かしていないから、です。

キーボードを叩いているだけで忙しく手を動かしているように見えます。ですからパソコンの前にいると「何か」仕事をしているように自分も周囲も思い込むのです。

たとえば夕方の6時から夜10時ぐらいまで、ずっと自席でタブレットを持ちながら「何か」をし続けられるか、実際にやってみましょう。おそらく、かなりキツイと思います。パソコンなら可能でも、タブレットでは精神的にキツイはずです。カタカタとキーボードをたたけないので、仕事をしている「気分」を味わうことができないからです。

資料やメールの作成のためには文字入力が必要です。しかしその入力作業に、パソコンのキーボードが本当に必要でしょうか?キーボードのような快適な文字入力装置があるから、ムダな資料が増えたり、意味のないメール、やたらと文章の長いメールが飛び交うのです。多少、非効率的になったとしてもタブレットで十分。パソコンで仕事をしている「気分」を味わえる時間を減らすだけで、オフィス内の残業は激減するはずです。それほど、パソコンはムダな仕事を創出する装置なのだと認識しましょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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