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ダルビッシュ有の1600奪三振は「登板」と「イニング」のどっちが史上最速!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)Apr 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月17日、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は、メジャーリーグ通算1600奪三振に到達した。この日は、通算215登板目。1600奪三振に達した時点のイニングは、通算1302.1だった(降板時は、1604奪三振と1307.2イニング)。

 スポーティング・ニューズのスタッツセンターは、それまで、1600奪三振の最少登板は、ランディ・ジョンソンの216だったとツイートしている。また、イライアス・スポーツ・ビューローのツイートによると、1350イニング以下で1600奪三振に到達した投手は、これまでいなかったという。ダルビッシュの1600奪三振は、登板とイニングのどちらも最速ということだ。きちんと調べたわけではないが、ダルビッシュに更新されるまでの最少イニングは、スティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)の1360.0だったと思われる。

 昨年6月にダルビッシュが1500奪三振に到達した時に「ダルビッシュが達成した「史上最速の1500奪三振」は、あのデグロームも塗り替えられない!?」で書いたとおり、こちらの197登板と1216.2イニングも最速だった。

 登板における奪三振の最速記録は、先発投手でないと、打ち立てることはまずできない。一方、イニングの最速記録は、リリーフ投手にもチャンスがありそうに見える。例えば、ダルビッシュの通算奪三振率は11.04だ。それに対し、クレイグ・キンブレル(ロサンゼルス・ドジャース)は14.68、ケンリー・ジャンセン(アトランタ・ブレーブス)は13.04、アロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)は14.95。3人とも、ダルビッシュを上回る。

 もっとも、リリーフ投手の場合、1500奪三振や1600奪三振に到達するのが極めて難しい。この3人の通算奪三振は、いずれも1000を少し超えたところ。それぞれ、1028、1027、1008だ。ここから、1シーズンに100三振ずつ奪ったとしても、1600奪三振までは5シーズン以上を要する。キンブレルもジャンセンもチャップマンも、今シーズンの年齢(6月30日時点)は34歳だ。

 キャリアの大半――すべてではない――をリリーフ投手として過ごし、1500三振以上を奪ったのは、1610奪三振のホイト・ウィルヘルムと1502奪三振のリッチ・ゴセージくらいしか見当たらない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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