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永瀬拓矢挑戦者、千日手2回の死闘の末に棋聖戦第1局を制す 藤井聡太棋聖、タイトル戦連勝は13で止まる

松本博文将棋ライター

 6月3日。兵庫県洲本市・ホテルニューアワジにおいて、第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局、藤井聡太棋聖(19歳)-永瀬拓矢挑戦者(29歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 藤井棋聖先手で9時に始まった対局は、16時17分、66手で千日手成立。(千日手1回目)

 永瀬王座先手で16時47分に始まった指し直し局は、17時38分、53手で千日手成立。(千日手2回目)

 藤井棋聖先手で18時8分に始まった再指し直し局は21時42分、114手で永瀬挑戦者の勝ちとなりました。

 永瀬挑戦者は千日手2回の末に初戦を制し、初の棋聖位獲得に向けて大きな一歩を踏み出しました。

 タイトル戦番勝負で13連勝中(将棋史上2位タイ)だった藤井棋聖。久々の敗戦でついに連勝は止まりました。(史上1位は大山康晴15世名人の17連勝)

 藤井棋聖と永瀬挑戦者の通算対戦成績は藤井7勝、永瀬4勝。直近では永瀬3連勝です。

「東の千日手王」と呼ばれる永瀬王座。43回目、44回目の千日手を経て見事に強敵を倒しました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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