今宮健太が球団9000号本塁打! では「ホークス1万号」はいつ頃?
ソフトバンクの今宮健太内野手が8日の広島戦(PayPayドーム)で大瀬良大地投手から放った先制アーチは、球団通算(前身時代も含む)9000号のメモリアル本塁打だった。
記念弾は同級生・大瀬良から
0対0の緊迫した投手戦の中の六回裏に放った貴重な先制弾。その後追いつかれて引き分けに終わったが、好投手から放った価値ある一発だった。
「めちゃくちゃコントロールが良かったし、チームとしても打つのに苦労していた。あの回の攻撃の前に円陣が組まれて、甘い球を意識した中で打席に入っていた。一発で仕留められたのがたまたまホームランになっただけです。打てたのは良かったけど、勝ちたかったですね」
大瀬良は同い年で同じ九州出身(今宮は大分、大瀬良は長崎)だが、「高校時代はあまり対戦はなかったと思う」と話し、プロ入り後も打った記憶はあまりなかったという。
「それよりも、しっかり自分のスイングが出きて良かったです」
現在の打率は2割ちょうど。「最低の最低」と自虐的に話す。しかし、この日で5試合連続安打と調子が上向いてきている。「打てなかった時期よりは、はるかに良くなっている。やってきたことがあるし、それを信じていきたい。そしてチームにどんな形でもいいので貢献したい」と前を向いた。
また、9000号のメモリアル弾については「申し訳ないです、僕で」と照れ笑い。じつは8500号アーチも今宮が放っていた。
球団史上1号は「二刀流選手」?
球団史上1号は「南海軍」の名で球団が始動した1938年秋シーズンの10月8日、鈴木芳太郎がイーグルス戦で放った一発だった。
ちなみにこの鈴木のポジションは投手で、チームの初代開幕投手を務めた人物でもある。通算本塁打はこのシーズンに1本と、1943年の1本の計2本塁打のみ。投手としては通算14試合に登板して1勝5敗、防御率3.49の成績だった。
ホークス球団の記念本塁打の一覧
◆南海軍時代
1本塁打 鈴木芳太郎 1938年10月8日 イーグルス3回戦(後楽園)
◆南海ホークス時代
500本塁打 岡本伊佐美 1953年8月5日 毎日14回戦(大阪)
1000本塁打 穴吹義雄 1959年7月19日 阪急15回戦(西宮)
1500本塁打 広瀬叔功 1963年8月22日 近鉄24回戦(日生)
2000本塁打 野村克也 1967年5月24日 東映10回戦(後楽園)
2500本塁打 藤原満 1971年6月29日 阪急11回戦(西宮)
3000本塁打 門田博光 1975年6月21日 日本ハム13回戦(後楽園)
3500本塁打 メイ 1980年4月28日 阪急4回戦(西宮)
4000本塁打 定岡智秋 1983年10月14日 阪急25回戦(西宮)
4500本塁打 デビット 1987年6月24日 阪急12回戦(大阪)
◆福岡ダイエーホークス時代
5000本塁打 吉永幸一郎 1990年8月22日 ロッテ18回戦(川崎)
5500本塁打 松永浩美 1994年9月8日 オリックス23回戦(グリーンスタジアム神戸)
6000本塁打 吉永幸一郎 1999年6月16日 近鉄14回戦(福岡ドーム)
6500本塁打 松中信彦 2002年7月6日 ロッテ12回戦(福岡ドーム)
◆福岡ソフトバンクホークス時代
7000本塁打 バティスタ 2005年6月11日 ヤクルト5回戦(ヤフードーム)
7500本塁打 田上秀則 2009年10月11日 楽天24回戦(Kスタ宮城)
8000本塁打 松田宣浩 2014年9月10日 日本ハム22回戦(東京ドーム)
8500本塁打 今宮健太 2018年6月5日 ヤクルト1回戦(神宮)
9000本塁打 今宮健太 2021年6月8日 広島1回戦(PayPayドーム)
「ホークス1万号」はいつ、誰が?
こうなると、ホークス1万号本塁打という「超メモリアル」な一発が誕生するのはいつ頃になるのか気になるところだ。
上記一覧から想定する。
7000号から8000号までは約10年かかっているが、8000号から9000号までは7年足らずで到達した。2015年シーズンよりPayPayドームには「ホームランテラス」が設置されている。それによりペースが加速したと考えられる。
また、ビジター球場でも楽天本拠地の楽天生命パークでも2013年に外野に「Eウイング席」が設置されて全体的に1mほど狭くなり、フェンスも低くなった。ロッテ本拠地のZOZOマリンスタジアムでも2019年より「ホームランラグーン席」が誕生している。
それらを考慮すれば6年後のシーズンあたりが妥当か。
すなわち「Xデー」は2027年シーズン。「メモリアル男」となった今宮は36歳になる。まだ現役でプレーしている可能性は十分にある。主砲の柳田悠岐は2019年オフに最長7年の複数年契約を結んだ。これを全うすれば2026年まで。柳田は契約を結んだ際に「38歳までやって、そこでフィニッシュ。そこまで出来たら最高だな、と」とその時点での現役引退を示唆したが、果たして。
また、今はファームで鍛えの日々を送るリチャード、今年新人の井上朋也や笹川吉康がチームの主軸になっている期待もある。彼らが球団史に名を刻む一発を放つのか。それを想像するだけでロマンを感じる。