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3年4か月ぶり!対ソフトバンクの3連戦3連勝《8/24 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
腰痛から復帰して3試合目の登板。2イニングを0点に抑え、勝ちがついた望月投手。

 真夏の暑さがぶり返した阪神鳴尾浜球場で、きのう24日まで行われたウエスタン・ソフトバンク戦は、阪神の3連勝で終わりました。ことし3連戦3連勝は3月24日からの中日戦(鳴尾浜)で達成して以来、今季2度目。しかもソフトバンク戦となると相当さかのぼって、2014年4月15日から17日(甲子園、甲子園、鳴尾浜)以来、3年4か月ぶりのことです。ちなみにソフトバンク3連戦で3連敗は、その間にも何度かあります。

 そして、きょう25日のオリックス戦(舞洲サブ)も9対4で勝って4連勝!実は連勝4というのが今季最多なんですよね。3月24日の中日戦から28日のオリックス戦までに4連勝して以来で、ようやく今季2度目。逆に連敗も4が最多で、こちらは今季3度。

 さて、きのう24日のソフトバンク24回戦は1回に4点を取り、短いイニングで交代する投手陣が後半に1点ずつ返されて、最後は1点差で逃げ切りました。藤浪投手のあと2回と3回を抑えた望月投手に勝ちがついています。これでソフトバンク戦は13勝11敗で、2つの勝ち越しです。

《ウエスタン公式戦》8月24日

阪神-ソフトバンク 24回戦 (鳴尾浜)

 ソフ 000 001 101 = 3

 阪神 400 000 00X = 4

 

◆バッテリー

【阪神】藤浪-○望月(1勝)-榎田-藤谷-山本-S柳瀬(2勝4S) / 岡崎-小豆畑(4回~)-長坂(9回表)

【ソフ】●大隣(5勝3敗)(3回)-笠原(3回)-岡本(2回) / 栗原-九鬼(7回~)

◆二塁打 栗原、真砂、九鬼

◆打撃   (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]右:江越   (3-1-0 / 2-1 / 0 / 0) .139

2]中:高山   (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .407

3]左:キャン  (4-3-0 / 1-0 / 0 / 0) .308

〃走左:緒方  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .238

4]三:陽川   (4-1-2 / 1-0 / 1 / 0) .268

5]一:新井   (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .289

〃遊:植田   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211

6]指:狩野   (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .261

7]遊二:板山  (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .195

〃打一:今成  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .224

8]捕:岡崎   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .150

〃捕:小豆畑  (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

〃捕:長坂   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .174

9]二一二:荒木 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .237

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

藤浪 1回 18球 (1-1-0 / 0-0 / 2.77) 156

望月 2回 33球 (2-0-0 / 0-0 / 9.00) 152

榎田 2回 19球 (0-1-0 / 0-0 / 3.43) 143

藤谷 1回 26球 (1-0-2 / 1-1 / 5.40) 144

山本 2回 36球 (3-2-0 / 1-1 / 2.75) 141

柳瀬 1回 23球 (2-2-0 / 1-1 / 1.82) 146

《試合経過》

 1回に打者9人攻撃を見せた打線。先頭の江越が右前打、高山は四球を選び、キャンベルの左前打で無死満塁!まず陽川が中前タイムリーで2人を還します。無死一、三塁となり陽川が二盗、1死後に狩野が左前タイムリー!さらに2点を加えました。板山の右前打と岡崎の遊ゴロで2死一、三塁とするも追加点なし。とはいえ1回から4点も取ったのは6月24日の広島戦(甲子園)以来のことです。

2回から2イニングを投げた望月投手。
2回から2イニングを投げた望月投手。

 ただし、以降は無得点。2回は三者凡退。3回は2死から狩野が中前打しただけ。4回はまた三者凡退。5回はキャンベルが右前打するもチャンスを作れず。6回にようやく、1死から代打・今成と小豆畑に連打が出て、2死後に江越の四球で2死満塁としますが、高山の打球をセンター・釜元がランニングキャッチ。7回は先頭のキャンベルが3安打目となるショート内野安打を放ったものの後続を断たれ、8回は2死から小豆畑が左前打しましたが、そこまで。

榎田投手は今回は中継ぎ登板で、2回パーフェクト!
榎田投手は今回は中継ぎ登板で、2回パーフェクト!

 投手陣は、まず藤浪が1回に2番・川瀬に右前打されるも、2死二塁となったあとで飛び出したところを岡崎が二塁で刺し、3人で片付けています。ついで望月が登板。2回は栗原の中前打のみ、3回は2死から城所にショート内野安打と盗塁を許しましたが、川瀬の投ゴロを捕って終了。2回2安打無失点で交代です。4回からは榎田と小豆畑のバッテリーで、榎田は2イニングを完ぺきに抑えました。

6回は藤谷投手。この日の最速は144キロでした。
6回は藤谷投手。この日の最速は144キロでした。

 6回は藤谷。先頭の9番・釜元に四球を与え、盗塁を決められるなど1死三塁として、川瀬に左前タイムリー。さらに暴投と四球で1死一、二塁としますが、4番・塚田は遊ゴロ併殺打に仕留めて1失点で投げ終えました。7回は山本が、先頭の栗原に中前二塁打(高山が前進したものの打球があまり伸びず、あきらめたか?)を許し、続く真砂の右中間二塁打で1点返されます。

 そのあとは3人で片付け、8回は先頭の城所に中前打され、犠打で二塁へ進めるも、次の遊ゴロを植田が三塁へ送って封殺。塚田は空振り三振で無失点でした。9回は柳瀬と長坂のバッテリー。途中出場の九鬼にまず右越え二塁打、三振と一ゴロで2死三塁となり、代打・吉村に左前タイムリーを浴びます。最後は釜元から空振り三振を奪って試合終了。終わってみれば1点差の勝利でした。

「バッターに投げてわかることがあった」

 試合後の話は投手2人だけです。まず望月惇志投手。腰痛から復帰後、これが3試合目の登板で、初めて2イニングを投げました。そして初めて0点に抑えて、今季初勝利となっています。振り返って「2イニング目は無駄な力みがなくいけたかなと思います。1イニング目は力も入っていましたし。前回の反省として、リリースの見えるのが早いと色んな先輩方にも言ってもらったんです。左足の開きが早いと。そこは試合の中で意識していきました」とのこと。

少しずつゲームの“勘”や、打者との間合いを取り戻していく日々です。
少しずつゲームの“勘”や、打者との間合いを取り戻していく日々です。

 「結果より内容の方が大事というか。前回はランナーを出して連打で点を取られた。きょうは、1イニング目がそんなにしっくり来ていなかったとはいえ、抑えられたというのはよかったですね。1イニング目が終わったときに『ボールが高い』と掛布監督に言われ、2イニング目はそこを意識して低めに集めるようにしました」

 左足の開きが早いというのは、腰の影響もあるかと聞かれ「前はクロスに入っていたので、そのぶん体を回さないといけなかった。それを意識してはいないけど。11月に右ヒジを怪我して打者に投げることが少なかったから、ブルペンでは、いいボールがいっているか、いっていないかしかわからなかったですね。足の開きとかはわからなかった。バッターに投げて初めてわかることがあって、それでブルペンで気づいたんです。意識して(腰を)かばっていたわけではないですけど、関係はあると思う」と答えています。

 2イニングを投げて、今後は登板後の経過を見ながらになりますが「イニングをまたいで投げて、腰に今のところ何も出ていないのはいいことですね」と言い、そして「技術に関してはまだまだです」と続けた望月投手。掛布監督が前に「うさぎじゃなくて、カメでいいんだよ」と話していました。一歩ずつ確実に進みましょう。

“ぶれ”をなくすためのフォーム改造

 次は藤谷洸介投手です。前日に少し話を聞いたら「今、フォームを変えている」と言うので、どこを?と尋ねると…また例によって「こんなふうに」とアンダースローの真似をしたりしてニヤニヤ。しばらく経ってから「“捻る”のをやめたんです」と、ようやく本当の話が出てきました。

藤谷投手は6回1イニングを投げて1失点でした。
藤谷投手は6回1イニングを投げて1失点でした。

 そして、きのうの登板。写真ではあまりよく違いがわからないのですが、いわゆる“プチトルネード”の捻りをせず、そのまま投げています。その効果は「球持ちがよくなって、ファウルも取れていたので、そこはよかった」とのことです。「捻ると左右の斜め方向へぶれるので、それをなくすためにやめました。そうすると、ぶれが縦方向だけになるから」

 今後もゲームに入りながら、変えたフォームを固めていくと思われます。24日は真っすぐが多めで「真っすぐをよくすることが課題なので、これからもしっかり投げていきますよ」と、ここは真面目に答えてくれた藤谷投手です。

鳴尾浜から東京ドームへ!

 6回裏に代打を送られて退いた板山祐太郎選手が、東京へ向かいました。試合中に西岡選手と板山選手の公示がもう出ていたので、わかりやすかったですね。着替えて荷造りをして、鳴尾浜を出発したのは試合が終わりかけた16時前だったと思います。タクシーに乗り込みながら「必死で頑張ります!」とひとこと。急な昇格だったけど。「常に準備はしていたので。一生懸命やります」。その数時間後の20時すぎ、テレビ画面で東京ドームのベンチに座る、ひときわ日に焼けた板山選手を確認しました。

24日の試合中に、鳴尾浜から東京へ向かった板山選手。
24日の試合中に、鳴尾浜から東京へ向かった板山選手。

 板山選手は8月19日の日本ハム戦(三条)から24日のソフトバンク戦(鳴尾浜)まで5試合連続安打で、そのうち22日のソフトバンク戦は5か月ぶりに2号ソロを打ったかと思うと、9回には逆転サヨナラ2ランでアピール。それでも「きょうだけじゃ意味がない。続けていかないと」、「ここまで期待に応えられていないので、まだまだ」というコメント。ただレフトへのヒットやホームランもあり「打球が逆方向にも出てきて、それは練習でも意識している」と言っていたところです。

 掛布監督は「左の肩がスムーズに回るようになってきた。それを意識したら今度は残しすぎる。強くたたかなきゃって意識もあるから入りすぎる。やっとスムーズになったね」と、2発打った日に話していたそうです。そして、きのう東京へ向かったあとは「今、状態がよくなっているので『板山、いいよ』と言いました」と監督。今季初の1軍昇格となった板山選手です。きょう25日に代打で初出場しましたが、残念ながら三振。あすから、しっかり暴れてきてください!

おまけで九鬼選手の話です

 ソフトバンクのルーキー・九鬼隆平選手については、先日の記事にも書いたのですが、試合後に少しだけ話ができたので“おまけ”でご紹介します。23日はキャッチャーとしてフル出場し、8回にメンデス投手からホームランを放ちました。24日は7回からマスクをかぶっての1打席だけだったにもかかわらず、先頭で柳瀬投手から二塁打。

23日にホームランを打ち、ベンチ前で迎えられる九鬼選手(背番号65)。
23日にホームランを打ち、ベンチ前で迎えられる九鬼選手(背番号65)。

 U18日本代表チームでは4番キャッチャーでしたし、高校は秀岳館といっても大阪府出身ですから、お客様もよくご存じです。でも鳴尾浜に来たのは、もしかして初めてでは?「はい、初めてです」。やっぱり。初めて来て、ホームランを打ったわけですねと言ったら「いやいやいや、そんな…」と大謙遜。さらに二塁打も、と続けると再び「いやいやいや」と苦笑い。

 まあ関西人なので、その「いやいやいや」もノリ自体はよかったかな(笑)。公式戦のホームランは3号だけど、3軍戦などを合わせると「10本打っています」とのこと。頑張ってくださいね。「はい!」。ルーキーらしい元気な声が返ってきました。次の対戦も楽しみです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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