上原浩治は2010年代のメジャーリーグでトップ10に入るリリーバーだった
上原浩治は、メジャーリーグで9シーズンを過ごした。2009年は先発として12試合に登板し、2010~17年は救援として424試合に投げた。
2010年代のリリーバーのなかで、424登板は43位、414.0イニングは42位。95セーブは37位、81ホールドは52位タイだ。ただ、セーブとホールドのどちらも80以上の投手は、上原以外に5人しかいない。
また、救援400イニング以上の44人中、防御率2.43と被打率.184は5位、奪三振率11.39は7位。与四球率1.43とK/BB7.94、WHIP0.83は1位だ。K/BBは奪三振と与四球の比率、WHIPは出塁させた打者(与四球と被安打)の1イニング平均を示す。なかでも、K/BBとWHIPは歴代の救援400イニング以上でも1位に位置し、K/BBは2位のデニス・エカーズリーに1.65の差をつけている。
これらのスタッツからわかるように、上原は2010年代のトップ10リリーバーの一人だった。断言しても間違いないだろう。このディケイドは、今シーズン終了とともに幕を閉じる。
ベストシーズンは、2013年だ。1年425万ドルでボストン・レッドソックスに入団し、6月下旬にセットアッパーからクローザーへ。73試合に登板して74.1イニングを投げ、13ホールドと21セーブを挙げた。防御率1.09、被打率.129、K/BB11.22、WHIP0.57はどれも救援50イニング以上の1位(WHIPは歴代でも1位)、奪三振率12.23は11位、与四球率1.09は3位。サイ・ヤング賞の投票では7位に入った。ア・リーグで上原の上にいたのは、6人とも先発投手だ。
この年はポストシーズンでも好投し、13登板で13.2イニングを投げて1失点のみ。ディビジョン・シリーズ第3戦にサヨナラ本塁打を打たれたものの、失敗なしで7セーブを挙げ、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズではMVPに選ばれた。レッドソックスがポストシーズンで挙げた11勝のうち、8試合は上原が締めくくり、9回裏にサヨナラ本塁打安打で勝ったリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦も、9回表を無失点に抑えた。ワールドシリーズ優勝の瞬間も、上原はマウンドにいた。