Yahoo!ニュース

チームが3連敗中でも存在感を放つ背番号11

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2025年に入ってからのアトランタ・ホークスは3連敗を喫し、勝敗の数が18ずつとなった。

 孤軍奮闘しているのがエースのトレイ・ヤングだ。元日のデンバー・ナゲッツ戦は120-139で敗れたが、ヤングは30得点、9アシスト。3日のロスアンジェルス・レイカーズとのゲームでも33ゴール、9アシストと存在感を示した。が、チームは102-119で黒星。翌4日のロスアンジェルス・クリッパーズ戦でも20得点14アシストと気を吐いたが、105-131で捩じ伏せられた。

撮影:筆者
撮影:筆者

 数週間前、東地区のライバルであるミルウォーキー・バックスを率いるドック・リバース監督が「ヤングはチームメイトからの信頼を獲得している。このホークスの面々は、彼と一緒にプレーするのが好きだ。以前はそうとも言えなかったが、今は、間違いないね」と話したように、26歳のポイント・ガードは大黒柱としてホークスをまとめあげている。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 オールスターに3度選出された背番号11には、ディフェンスを怠っていると指摘された過去がある。2021年のプレイオフ、東地区ファイナルで敗退した折、非難を浴びた。

 だが、3週間ほど前、ヤングは話した。

 「特定のことが僕に出来ないとか、ある事柄に腹を立ててイライラしたりする傾向にあるという話は、事実じゃないさ。今、チームとしてやってきたことのほんの一部が出てきたところなんだ」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 AWAYでのゲームが続くホークスはクリッパーズ戦でスモール・フォワードのジェイレン・ジョンソン、シューティング・ガードのボグダン・ボグダノビッチをケガで欠いた。ジョンソンは、前日のレイカーズ戦にスターティングで起用され、32分59秒プレーし、15得点、8リバウンド、セカンドユニットの一人としてコートに立ったボグダノビッチも23分3秒プレーし、5得点、3アシスト、2リバウンドしていた。

 「ディフェンスは良いが、攻撃面に難あり」と評される今季のホークス。185センチのゲームメイカーに掛かる負担は計り知れない。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2021年にホークスが躍進を見せた際、ヤングは地区ファイナルの初戦で48得点、精彩を欠いた第2戦でも15点、第3戦でも35得点と、毎試合チームハイを記録した。だが、右足の打撲で第4戦、5戦を欠場。6戦目は強行出場したが、いつものヤングではなく、ホークスも2勝4敗で力尽きた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 この状態のままシーズンが進むと、ヤングが故障してしまわないか…と感じるのは私だけだろうか。現在、ホークスは東地区7位である。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事