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冬キャンプは寒さ対策さえすれば超快適!電源サイトじゃなくてもポカポカ過ごせるコツをプロが紹介します

いわもととしたつキャンプクリエイター/アウトドアライター

第二次キャンプブームで定着したキャンプの楽しみ方「冬キャンプ」。とはいえこれまでは通なキャンパーが薪ストーブをひっさげて冬キャンプを楽しんでいましたが、寒さ対策グッズが充実したことでハードルはかなり下がりました。

とはいえきちんと準備しないと命にかかわるというのも事実。しかも全てのキャンプ場に電源がある訳でもないし、なんらかのトラブルで電源が使えないと詰むので、基本的に「電源無し」を想定した方がいいですね。今回は、電源サイトでなくとも暖かく過ごせる具体的な方法を紹介していきます。

寒さ対策の考え方は「リビング」と「寝室」で分ける

キャンプを過ごす場所を大きく二つに分けると、「リビング」と「寝室」に分けられる。その中でもリビングは「外のリビング」と「中のリビング」で細分化した方が分かりやすい。

どちらの寒さ対策もしっかりしておかないと、冬キャンプは残念な思い出で終了してしまうのがネック。特にキャンプ場だとすぐに何とか出来るアイテムが用意できない可能性もある為、ある程度の所までは入念な準備が求められます。

寝ている時は意外と対策しやすい

まずは対策しやすい寝ている時。基本的にはシュラフに入って寝るだけなので比較的対策がしやすいんです。ポイントとしては以下の通りとなります。

冬用のシュラフかどうか

シュラフにはある程度お金をかけておきたい所です。シュラフには快適使用温度と限界使用温度の2種類の表記があり、宿泊するキャンプ場の最低気温が快適使用温度を下回っていなければOKです。限界使用温度は「一応耐えれるけど結構厳しい」くらいの認識でいただいた方がよく、ここの数値をアテにしていると寒くて寝られないなんてことも。どうしても冬用シュラフが用意できないという方は、以降の対策を厚めにしてください。

底冷え対策

地面から来る冷気をどこまで防げるのかも重要なポイントです。シュラフの下にマットを置いて就寝する場合、マットは空気をたくさん含んだインフレータブルマットかエアーマットにして、その上に毛布などを敷いておきたい所。なるべく空気の層を厚くすることで、冷気を遮断することが出来ます。

その点、コットで寝る場合はある程度地面から離れているので、毛布を敷くくらいの対策でもOKです。もちろんマットがあれば更に快適になります。

首回りや肌を露出している場所の対策

いくら高性能なシュラフを使っていても、首や顔などはどうしても露出してしまいます。マミー型のシュラフを使うなどすれば多少は和らぎますが、ネックウォーマーやマスクなどを活用して極力露出を減らすのが有効です。

湯たんぽ&電気毛布で盤石の構え

個人的には湯たんぽと電気毛布さえあれば真冬の平地キャンプなら耐えられると考えています。

湯たんぽに関してはトタン製で直火で暖められる物とし、寝る1時間くらい前からシュラフに入れておくと良いでしょう。なお、湯たんぽも長時間触れていると低温やけどの恐れがあるので、最初は足が位置する部分に置いておき、寝る時はあたらない場所にずらすかバスタオルなどで保護しておきましょう。

また、電気毛布は比較的消費電力が少なく、モバイルバッテリーでも使える物もあるというのがキャンプでは嬉しいですね。電気毛布と一言でいっても、「掛ける専用」と「敷くのも掛けるのもOK」の2種類があるので、予算に余裕があれば後者を買っておきましょう。かなり寒いという状況であれば敷いて使い、そこまでという場合は足元だけ掛けておくなど、アレンジが利きます。

リビングでは活動していても寒くない工夫

リビングではじっとしていたり、動き回ったりと様々なシチュエーションが考えられます。そのため、「コレ」と言った対策は特になく、それぞれのスタイルによって変わってきます。

お座敷スタイルでゆったりしたいという場合は、上でも紹介した敷く電気毛布が有効です。電気カーペットは電気容量が高く、電源付きサイトですら使用できない可能性があるのでご注意を。

また、石油ストーブを採用するキャンパーも多いですが、基本的にテント内で火器の使用はNGになっているという事を念頭に置いた上で、自己責任で使用してください。可燃物を近くに置かない、定期的に換気をするなど、火災や一酸化炭素中毒を防ぐ対策は万全にしておきましょう。薪ストーブについては更にハードルが高いですが、かなり暖かいですね。

一番おススメなのは、高機能ウェアを活用する方法。吸湿発熱機能を持ったインナーにダウンなどを組み合わせればある程度の温度までは快適に過ごせます。また、ダウンパンツやレギンス、ダウンシューズも採用して足元の寒さ対策をしておくとかなり違います。

他にも、暖かいドリンクを飲んで体の中から暖めるというのも非常に有効です。寒い時にも使用できるガス缶の用意も忘れずに。

自宅の暖房費節約にも役立つ

キャンプで使用する寒さ対策は、エコで光熱費がそこまでかからないという強みがあります。これらを揃えて自宅で使うと、エアコンや床暖房などの使用頻度が減って、節約にもつながります。

更に、冬の災害時にも寒さ対策は必須。カイロでは頼りにならないので、こういったアイテムを常に出せるようにしておけば安心ですね。

冬キャンプを始める事は、暖房費節約や冬の防災にもつながるとくれば、コストパフォーマンスも悪くないハズ。人の少ないキャンプ場で、虫に悩まされず、最高の星空を堪能できる…。メリットだらけの冬キャンプ、皆さんも初めてみてはいかがでしょうか。

キャンプクリエイター/アウトドアライター

『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、子どもはもちろん大人の環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。実体験を通したキャンプの知識や雑学、マニアならではの考察についてお届けしていきます。

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