大沢伸一とヒロ杉山が、激レアな1点モノ・アート作品を100万円で発表
●音楽や映像の作品価値を考えさせてくれる試み
テクノロジーの進化によって音楽や映像の価値に変化が起きている21世紀のカルチャー・シーン。動画共有サイトやSNSの浸透、定額制音楽サービスによる利便性の追求によって、音楽や映像の作品価値が、限りなくフリーへ近づいていることは間違いない事実だ。
そんななか、MONDO GROSSOの大沢伸一とエンライトメントのヒロ杉山による、1作品1点モノ限定で100万円という価格のアート作品を発表するパンキッシュな試みをご存知だろうか? 音楽や映像の作品価値を考えさせてくれる、現代ポップカルチャーへのアンチテーゼなのかもしれない。
●先鋭的なコラボレーション作品『SOELM001』
2016年6月23日(木)、日本を代表するアーティスト、大沢伸一とヒロ杉山の2人が、初の試みとなる先鋭的なコラボレーション作品を発表した。タイトルは『SOELM001』、デジタル・デバイスに収められたデジタル作品だ。1点モノ・インテリア・アート作品として販売されることになった本作だが、“大量生産大量消費”時代への問いかけとして、デジタルながらもコピー販売をしないことがポイントだ。
「はじめての試みなので価格設定には迷いました。実際、正直高いのか安いのかもわかりません。でも、とはいえ、限りなく無料に近づいているネットシーンへの対抗というか、アート作品の価値を再定義してみたかったんです。今後、アーティストがどうやってバリューを上げて、クリエイションを進めていくための土壌を作ることが出来るのかっていう。これから出てくる人たちのためにも、新しい挑戦を考えるのも一つの役割だと思っています。」(大沢)
●インテリアとして日常にマッチする非日常を醸し出す浮遊感
本作『SOELM001』は、キュレーション型Eコマースサイト『MyGOD』にて1台限定で100万円(税抜)で販売されるという。
http://www.mygod.jp/products/detail.php?knowledge_id=188&curator_id=80
「日本だと、ビデオアート作品に対して価値を見出す感覚があまり無いと思うんです。でも、ヨーロッパだと普通にDVD作品の限定エディションに価値があるんですね。そこにアート的価値を見出して何百万何千万円もするという世界があったりするんです。(ヒロ杉山)」
構想1年、完成した作品タイトル『SOELM001』とは、2人の名前に由来する。絵画の様なインテリアにもなる1点モノのデジタル・アート作品は、ゆっくりと予測不可能に変化を続けるだまし絵的なグラフィック映像とアンビエントな音楽が、エッチング処理されたサイン付デジタル・デバイスに収められている。インテリアとして日常にマッチする非日常を醸し出す静的な浮遊感が魅力だ。
「玄関に飾るのもいいと思うし、ホームパーティーで披露するのもいいと思います。1点モノなので、一般の方はみることができないと思うので、絵画のようにオープンに展示する機会を作ってくれたらおもしろいですね。今回の試みは実験だと思っています。これが最終形ではないし、大沢さんと一緒に新しい価値観の提案、シリーズ化を今後も継続していきたいと思っています」(ヒロ杉山)
なお、本作は専用のスペシャルケースに入れて、大沢伸一とヒロ杉山の2人が購入者へ直接届けるという(※関東近郊限定の予定)。アーティストが直に作品を届けてくれる試みもユニークだ。
「僕だったら玄関に置きたいですね。いろいろ会話のきっかけにもなると思います。仕事場に置くのも作業効率が上がりそうでいいかもしれないですね。瞑想にも向いているかもしれません。」(大沢)
大沢伸一:音楽家、DJ、プロデューサー、選曲家。主な活動はMONDO GROSSO、AMPS、Thousand Tears Orchestra、LNOL。国内外の様々なアーティストのプロデュース、広告音楽、空間音楽やサウンドトラック制作のほか、アナログレコードにフォーカスしたミュージックバーのプロデュースもてがける。
http://www.shinichi-osawa.com/
ヒロ杉山:ヒロ杉山が中心となり結成されたクリエイティブユニットEnlightnmentは、国内外問わずビッグ・アーティストと共演し、海外のパーティ、ビッグフェス、アート・ショウにも数多く参加。近年では、m-flo『COSMICOLOR』のツアーVJや、大沢伸一『THE ONE』のツアーVJとして参加。安室奈美恵、BoA、MEGなどへライブ映像を提供している。