Yahoo!ニュース

ソロ温泉の達人が教える「湯船での混雑を避ける」4つの方法

高橋一喜温泉ライター/編集者

お盆休みは帰省ラッシュが重なり、温泉地も混雑しがちである。せっかくゆっくりするために出かけた温泉宿で、人が多くて寛げないというケースも少なくない。

だが、温泉の湯船にひとりでつかる(=独泉)ことは、ソロ温泉(ひとりでの温泉旅)に限らず、温泉旅行の醍醐味である。

そこで、今回は、独泉を愉しむためのちょっとしたコツをお伝えしよう。

①「チェックイン開始時間直後」と「食事の直前」

チェックイン開始時間(たとえば15時)直後は、まだ到着していない客もいるし、部屋で一息つきたいという人が多い。だから、早めにチェックインしたら、すぐに浴衣に着替え、浴室に向かう。

食事時間の直前も入浴客は少ない。たいていの人はチェックイン後、一息ついてから入浴するので、食事時間前にはすでに入浴が済んでいることが多い。18時から食事であれば17時15分~17時45分くらいがねらい目である。逆に食事スタート時間の1~2時間前は入浴客が多いので避けたい。

独泉をするためのテクニックをもうひとつ。夕食の時間を18時からか19時からかを選べる場合、19時からを選ぶ。このようなケースでは、18~19時のあいだは半分の宿泊客は食事をしているので、必然的に入浴客が少なくなる。

②客室が少ない宿を狙う

客室数が少ない温泉宿をねらって宿泊すれば、浴場でバッティングする可能性は低くなる。

筆者の感覚からいえば、8組以下なら浴場でいっしょになる可能性は低く、複数の湯船があれば、ほぼ独泉が叶う。

③貸切風呂や温泉付き客室がある宿にする

コスト高になるケースもあるが、サービスの一環として採り入れている宿が増えている。貸切風呂も無料で提供している旅館も少なくない。

④休前日や連休を避ける

これは抜本的な対策である。ひとりの時間を確保し、旅を充実させるためには、宿泊客が多い休前日や連休は避けたほうが無難だ。

どこの観光地もそうだが、温泉地の人手は週末と平日とでは雲泥の差だ。お盆休みや年末年始、ゴールデンウイークなどは当然ながら混雑する。

ある程度人気のある宿であれば、週末や連休はほぼ満室の状態である。だから移動中はもちろんのこと、温泉地に着いても、そして浴室に入っても、多くの人と顔を合わせることになる。あまりにまわりの人が気になるようだと、ソロ温泉の効果と魅力が半減してしまう。

ソロ温泉を決行するのに向いているのは、休前日や連休よりも断然平日である。カレンダー通りにしか休みをとれない人は、有休を最大限に活用したい。土曜日はとくに混み合うので、せめて金曜日や月曜日に有休をとって混雑を避けるといいだろう。

独泉ができたら「ラッキー」

最後に、ひとつだけ注意点がある。うまい具合にひとりになれなかったとしても、イライラしないことだ。

言うまでもないが、他のお客がいるのは当たり前だし、温泉は共有の資源である。ひとりになれないことでストレスをためてしまったら本末転倒である。

複数の湯船があれば空いているほうに移動すれば済む。たまには見知らぬ人と湯船の中で言葉を交わせば旅の思い出になることもある。

独泉ができたら「なんてラッキーなんだ!」とありがたがるくらいの心持ちでいるのがちょうどよい。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

高橋一喜の最近の記事