【独占インタビュー】IT×新年号世代ダンスボーカルグループSPECIAL NIGHTとは？

音楽コンシェルジュ

2018/12/5(水) 18:21

新世代のエンタメ×テクノロジーによる新鋭アーティスト

音楽シーンがネットカルチャーと結びつくことによって多くのイノベーションが起きている。そんな中、投資家兼シリアルアントレプレナーである宮地俊充氏が、エンタメ×テクノロジーのXTechカンパニー株式会社ティーンスピリットを設立した。

会計士、金融業界、ITベンチャーCFO、そしてオンライン英会話スクールを創業後、大手予備校に売却したという経歴を持つ彼が、次にやりたいのはエンタテインメント分野だ。いわゆる次世代型プロダクション＆レーベル事業を起こし、来年には“新年号世代”をキーワードに女性ダンスボーカルグループ SPECIAL NIGHT（スペシャルナイト）をデビューさせるという。

2018年12月4日、10代女子のメンバー5名でスタートすることが発表された。

グループコンセプトは“境界線を曖昧にする(ことで生きやすい社会を創る) ”こと。グループ名の由来は“ライブに来てくれた方に、思い込みや固定観念が壊れるような特別な夜を提供する”ことだという。さらに、デビューに合わせて渋谷の中心地にダンスや配信、音楽制作にまつわる利便性に優れたオリジナルスタジオTeen Spirit Studioを構えるなど、その戦略は起業家らしく明確でありスピード感も早い。

90年代末、CD全盛期に比べレコード会社の体力が弱まったと言われがちな昨今。新人アーティストを世に送りだす際、資金調達＝ファイナンスの仕組みの再定義は急務だ。

ふと疑問に思った。なぜ、宮地氏は音楽ビジネスに参入しようと思ったのだろうか？

これまで、日本の音楽シーンではバンドカルチャー、クラブカルチャー、そしてネットカルチャーから誕生したアーティストやそれを支えるスタッフの努力によって、様々な新しい仕組みが生まれてきた。エンタメシーンはそれこそ芸能にまつわる魑魅魍魎の世界だ。しかし、ITやテックにまつわる新しい才能が融合することでさらなるイノベーションを期待したいと思った。

そこで、今プロジェクトの総合プロデューサーである宮地氏と、メンバーであるSPECIAL NIGHTの5人に初インタビューを行った。

総合プロデューサー宮地氏への質問

●プロデューサーである宮地さんへ質問です。投資家兼シリアルアントレプレナーとして活躍されている宮地さんがなぜアーティストプロデュース、そして事業化を手がけることになったのでしょうか？

宮地：もともと10歳ぐらいから音楽をやっていました。よくあることかもしれませんが、大学卒業するときに挫折して辞めまして。その後も音楽はずっと好きだったので、ここまで好きならもう一回やってみたいなと。これまでIT系のビジネスをずっとやってきたんですけど、テクノロジーや人工知能の進化が早い今みたいな状況だと、極論で言えばスケールしたグローバルカンパニーしか残らないと思うんですよ。たとえばAppleやGoogle、Amazon、Facebookですね。彼らは効率化や、安い早い便利みたいなところを極限まで追求すると思うので、そこに勝てるとしたら宗教かエンタメしかないと思ったんです。購入する動機が、経済合理性ではなく“好き”だったり“信じているから”しか成立しなくなる。宗教の方はよく分かってないので、ずっと自分の中で重要だったエンタメをやろうと思いました。

●中国市場も、いまや物質的充足が満たされたことで精神的な豊かさが求められるようになりました。共有体験を生み、感動を提供できるエンタテインメントは時代に求められていますよね。

宮地：大事なのは、心の拠り所だと思います。

●音楽産業はデジタル導入に試行錯誤した結果、パラダイムシフトを切り替えることに遅れCD不況が起きたことで、IT方面の方々からは避けられていた側面が日本では多かったと思いますがいかがですか？

宮地：CDは過去のボーナスステージだったと捉えています。今の時代はSpotifyなど、ストリーミングサービスを活用してグローバルに聴かれるようにしていかないとダメですよね。そういう意味では、インターネットでのマーケティングが僕らの得意技なので、最初からグローバル戦略を軸に考えています。グローバルに広げられれば、CD全盛期の規模感は出せるんじゃないかなと。

●音楽業界において、IT企業はインフラでは参入してきますが、中身＝コンテンツを軸にしてやられる事例は少ないですよね。

宮地：デザイナーやエンジニアは音楽を好きな人は多いですけど、自分でビジネスにされる人は少ないですよね。それをやれているのでティーンスピリットはポジショニングが面白いねって言われます。本気で、5年で世界を獲れると思ってますし、そのための仕掛けを用意しています。当てられる自信があるし、起業家なので当たるまでやりたいと思います。

●エンタメにテックを掛け合わせることで、自分たちの居場所を見つけることができたということでしょうか？

宮地：そうですね。私たちぐらいテクノロジーとエンタメの両方に精通したチームはいないと思いますし、テクノロジーを武器にグローバルな展開するアーティストの席は、今も空いていると思っています。

●SPECIAL NIGHTを成功へ導く上で秘策をお持ちなのでしょうか？

宮地：かっこいい女性のスターが日本では安室（奈美恵）ちゃん引退後いなくて、K-POPとなっていますよね。そのポジションを日本発のアーティストでやりたいんです。音源や映像のクリエイティブのクオリティーと、テクノロジーをフルに活用したマーケティングで突破します。

●楽曲はどんなスタイルになりそうですか？　今後のお披露目はどんな感じで？

宮地：楽曲は、ポストEDMよりなダンスミュージックです。ライブは、演劇的要素も取り入れるショー的な展開になると思います。自分たちの信念も言葉でも発信していけるようなグループにしていきたいです。デビュー曲とお披露目ライブは来年3月頭を予定しています。それまではYouTubeチャンネルを更新していきます。ぜひスタート前からチェックをお願いします。楽しみにしていてください。

SPECIAL NIGHTメンバー5名への質問

●SPECIAL NIGHTのメンバーの皆さんは、SPECIAL NIGHTというグループでどんなことをやっていきたいですか？　あと、リスペクトしているアーティストも教えてください。

karin：SNSや動画を駆使して日々の活動を伝えつつ、ライブをみんなで作り上げていきたいです。個々のオリジナリティーも強く打ち出していきたいですね。スタジオが渋谷タワーレコードに近いので、街頭ヴィジョンに載りたいなと思っています（笑）。尊敬しているアーティストはBIGBANGです。5歳の頃からダンスをやっていたのですが、小学生の頃から大好きで。G-DRAGONさんが、自分を強く持っていてリーダーとして活躍されていて憧れています。

mana：歌とダンス以外でも個人個人ができること、いろんな挑戦をしていきたいですね。幅広く活動していきたいです。今はデビュー前なので不安もありますが、いいグループだなって早く知っていただきたいです。リスペクトしているアーティストはAAAです。伊藤千晃さんが好きだったんですけど脱退しちゃいましたね……。韓国グループの、クオリティー高い曲にも興味があります。最近、刺激をもらったのはPENTAGONです。意識の高い活動に憧れています。

kiyoha：オーディエンスが飽きないパフォーマンスを提供していきたいです。演出なども考えていきたいです。ダンス部時代は部長で、いろんなステージを作ってきました。PAさんとやりとりしたり照明を決めたり。今後も、いろんなことをやっていけるようにしたいです。音楽は国境を越えていくと思うので、世界中の人に知っていただきたいです。憧れは、小学2年生の頃から少女時代のファンです。わたしも同じ舞台に立ちたいと思ったきっかけでした。

haneul：コンセプトが“境界線を曖昧にする”なので、社会的に曖昧であったほうが生きやすいと思うことを、自分たちの歌やダンスで表現していきたいです。そんな考え方自体を広めていきたいと思っています。尊敬するアーティストは防弾少年団（BTS）ですね。初期の頃の「NO」という曲が好きです。国連でのスピーチには感動しました。グループ自体のコンセプトが明確なんですよ。なのでコンセプトを大事に、それに合った音楽活動をしていきたいです。

maika：自分たちの曲を出していく際、自分で歌詞を書いていきたいです。自分たちで選ぶ言葉だからこそ伝わる想いもあると思っています。憧れているアーティストは少女時代で、好きな曲は「Not Alone」です。K-POPの歌詞を知るために韓国語の勉強もはじめています。あと、幼い頃から日本で活躍されてきたBOAさんもリスペクトしています。全くのゼロから切り開くってすごいことですよね。海外進出もしたいです。ワールドツアーもやってみたいですね。

●では、最後に皆さんに質問です。SPECIAL NIGHT、今後の目標や夢は？

一同：東京ドームでライブをやりたいです！！！　