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WBCオランダ代表が過去最強のドリームチーム結成へ!

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
昨年は2年連続でシルバースラッガー賞を獲得したザンダー・ボガーツ選手(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

侍ジャパンにとんでもない強敵が出現することになりそうだ。

昨年11月に強化試合を行ったオランダ代表が現役メジャーリーガーを続々と招集に成功し、過去最強のドリームチームを結成しようとしているのだ。MLB公式サイトが24日付けで、報じている。

記事のサブタイトル「オランダが2017年WBCに向け有望若手選手を結集」とあるように、現在MLBで将来を嘱望されたキュラソー出身の若手選手たちが皆、オランダ代表に参加する予定だというのだ。

まずはレッドソックスのザンダー・ボガーツ選手だ。2013年に若干20歳でメジャー初昇格を果たすと、翌年からメジャー定着に成功。昨年は打撃部門で21本塁打、89打点といずれも自己最高を記録するなど、遊撃手として2年連続でシルバースラッガー賞を獲得しているスター候補選手だ。

次にアンドレルトン・シモンズ選手だ。2012年に22歳でメジャー初昇格し、翌年からブレーブスの先発遊撃手を任された逸材だ。彼の最大の武器は、なんと言っても2013年から2連連続でゴールドグローブ賞を獲得した守備力だ。2015年オフにエンゼルスにトレードされ、昨年も守備の要としてチームを牽引するなど、現在ではMLB屈指の名手といってもいい存在だ。

さらにディディ・グレゴリウス選手。2014年オフにダイヤモンドバックスからヤンキースにトレードされ、2015年から引退したデレック・ジーター氏を引き継ぐ正遊撃手に指名された。昨年は長打力に目覚め、自己最高の20本塁打、70打点を記録した26歳だ。

まだまだ続く。オリオールズのジョナサン・スクープ選手だ。2013年に21歳でメジャー昇格を果たし、昨年は正二塁手として公式戦全162試合に出場。元々長打が期待できる内野手だったが、昨年は25本塁打、82打点と自己最高を記録し、チームの主力打者に成長している。

そして最後はジュリクソン・プロファー選手だ。2012年に19歳でメジャー初昇格を果たした期待の星だ。まだレギュラーポジションを獲得するまでに至っていないが、昨年は内野全ポジションに加えレフトを守るなど、スーパー・ユーティリティとして活躍する器用な選手だ。

以上の選手たちがオランダ代表に名を連ねることになりそうだというのだ。記事にもあるように、今回のWBCで最も安定した内野守備力を誇るチームになるだろう。しかも長打力を期待できる選手が3人も揃う上、ここにヤクルトのウラディミール・バレンティン選手も加わるのだから、相当な強力打線だと覚悟しておかねばならない。

唯一弱点は投手力だ。記事でも説明しているし個人的にも確認できているのだが、オランダ代表が期待していたドジャースのケンリー・ジャンセン投手が出場辞退する意向を固めている。投手陣に関しては昨年の強化試合のメンバーから大幅な戦力アップは期待できない状況だ。

それでも野手に関して今回の布陣は、米国代表やドミニカ代表などの強豪チームに引けをとらないものだ。第2次ラウンドで対戦予定の侍ジャパンは相当の苦戦を強いられることになるだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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