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【オートバイのあれこれ】スズキ、復帰6年目にしてGP制覇!シュワンツ&ガンマ500

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「スズキ、復帰6年目にしてGP制覇!シュワンツ&ガンマ500」をテーマにお話ししようと思います。

1988年(昭和63年)、数年のブランクの後にWGP(世界グランプリ)へ完全復帰したスズキワークスチーム。

復帰に伴って投入されたスズキのマシンが『RGV-Γ500』でした。

▲'88年WGP/鈴鹿Rd.にて、シュワンツがライディングしたガンマ500(XR73)
▲'88年WGP/鈴鹿Rd.にて、シュワンツがライディングしたガンマ500(XR73)

スズキは1974年からワークス参戦を中断する'83年まで「スクエア4」と呼ばれた4つの気筒が寄せ集まるレイアウトのエンジンを使っていましたが、新たに開発されたRGV-Γ500にはV型4気筒が採用されました。

そしてこれをライディングしたのが、当時若手のケビン・シュワンツ選手。

▲GPへのレギュラー参戦1年目にして、シュワンツは早くもその才能を見せつけた!
▲GPへのレギュラー参戦1年目にして、シュワンツは早くもその才能を見せつけた!


シュワンツはルーキーながら新生ガンマを巧みに操り、GPレギュラー参戦1年目の初戦(日本GP/鈴鹿ラウンド)でなんといきなりの優勝を果たします。

シュワンツが前年王者のワイン・ガードナー選手(ホンダ)を破ったこの出来事は、大きな話題となりました。

その後もシュワンツは、持ち前のライディングスキルとセンスを活かし勝利を重ねていきます。

▲'90〜'92年の3年連続王者、ウェイン・レイニー(ヤマハ)。シュワンツとたびたび激闘を繰り広げた
▲'90〜'92年の3年連続王者、ウェイン・レイニー(ヤマハ)。シュワンツとたびたび激闘を繰り広げた

しかし、ライバルのホンダ・NSR500やヤマハ・YZR500に比べ、ガンマ500の熟成度がいまひとつだったのか、シュワンツは毎年「あと一歩」のところで年間チャンピオンを逃し続けていました。


そうして迎えた'93年シーズン、スズキは改良を重ねたガンマ500を投入し、またシュワンツもリスクを抑えた戦略を取り入れると、これらが効果テキメン。

参戦6年目にして、シュワンツはついにワールドチャンピオン(年間チャンピオン)を勝ち取ったのです!

▲参戦6年目にして、悲願の世界チャンピオンに!
▲参戦6年目にして、悲願の世界チャンピオンに!

上の画像のラッキーストライクカラーのガンマ500は、その時のチャンピオンマシンとなります。

「ケビン・シュワンツ」と聞くと、'88年の鈴鹿で劇的勝利を実現したペプシカラーのガンマ500が印象に残っている人も多いでしょうが、世界のテッペンを獲ったこのラッキーストライク・ガンマも、決して忘れられない存在なのです。

▲GP制覇の記念として、市販車のガンマにもラッキーストライクカラーが用意された
▲GP制覇の記念として、市販車のガンマにもラッキーストライクカラーが用意された

画像引用元:スズキ/ヤマハ発動機/MotoGP.com

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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