この世界は11次元のヒモでできていた!?
どうも宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「この世界は11次元でできている!?」というテーマで動画をお送りしていきます。
私たちの世界の次元
私たちは3次元の世界に生きています。
そもそも、次元とは数学の世界において空間の広がりを表す指標です。
座標の数によって表され、0次元、1次元、2次元...そしてn次元と続いていきます。
0次元は空間の広がりはありません。点のみです。
1次元では一方向に伸びる直線があり、その上でしか移動は出来ません。
最近はアニメや漫画などで聞くことが多くなりましたが、縦横方向に広がりを持つ、平面上の2次元、そして奥行きがプラスされた立体空間の3次元と続いていきます。
私たちのように、知的生命という複雑な存在が可能となっているのも3次元空間のおかげです。
仮に2次元しかなければ、人間の脳のような複雑なネットワーク回路はつくれないでしょう。
回路を立体交差させることができないので、複雑な回路を組もうとすると配線が重なってショートしてしまう可能性が高くなります。
時間を加えた3+1次元空間、4次元時空に生きていると言われることもありますが、一方で世界はもっと高次元でできているといった意見も存在しています。
多くの物理学者から支持されている理論では、世界は11次元の時空とされています。
あくまで仮説ですが、残りの次元は非常に小さくて目に見えないため、実感できるのは4次元時空のみだというのです。
超弦理論
世界は11次元であり、残りの7次元が小さく丸まっていると説明するのが物理学の理論仮説、「超弦理論」です。
簡単にいうと、超弦理論とは、物質はものすごく小さなひもでできているという「弦理論」に超対称性という難しい理論を組み込み、宇宙の謎や物質の謎を解き明かそうとする高度に数学的な最先端の理論です。
ただ、実験による理論の裏付けができていないため、あくまで優れた理論止まりが現状です。
物質は原子という小さな粒子で構成されています。
そして、原子は電子と陽子と中性子というさらに小さい粒子からなっています。
それ以上に分解できない最小単位の粒子は「素粒子」と呼ばれていますが、電子はそれ自体がレプトンという分類の素粒子であり、陽子・中性子はクォークという分類の素粒子が3つ合わさって構成されています。
現在の素粒子物理学の基本理論である「標準理論」には、17種類の素粒子が登場しますが、素粒子には大きさがないものとして扱います。
それに対して超弦理論では、素粒子を点ではなく1次元の広がりをもつ「ひも」のような形をしていると考えます。
また、標準理論はたった17種類の素粒子だけでこの世界を説明できるという非常に画期的な理論ですが、超弦理論を取り入れることでそれらの素粒子をさらに一本のひもだけで説明できるようになります。
ひもは長さを持つため、振動したり巻き付いたりすることが可能です。
その振動や巻き付き方の違いによって、質量の異なる素粒子として振る舞うという説明ができるようになったのです。
さらに、超弦理論は標準理論では扱えなかった重力を取り込んだ理論であり、「量子重力理論」の有力候補と言われています。
量子重力理論の完成こそ、世界中の物理学者の悲願なのです。
物質を細かく分解していくと小さな一本のひもになると言われても全くイメージが湧かない気がしますが、超弦理論の数式上では、ひもの組み合わせによって世の中の粒子は矛盾なく作れることが分かっています。
しかし非常に小さいという特徴が研究を困難にさせています。
ひものサイズは10のマイナス33~35乗cm。
原子の直径は10のマイナス8乗cm程度なので、差があり過ぎて比較しても、とてつもなく小さいということしかわかりません。
当然目で確かめることは不可能です。そのため現在は、正しいとも間違っているとも言えない、あくまで仮説に過ぎない理論という立ち位置にいます。
11次元であるとは?
今回のテーマである11次元の世界に話を戻していきましょう。
超弦理論に基づくひもの存在を仮定すると、どうやらこの世界には、11次元が必要になってくるらしいのです。
一般相対論と量子力学を満たすひもの運動を考え、これを矛盾のない方程式として記述しようとすると、困ったことに次元の数が非常に大きくなってしまうのです。
素朴な「弦理論」だと26次元にもなります。
超対称性を組み込んだ超弦理論でも10次元です。
超弦理論には5つのバージョンがあり、1つの理論に統合するにはもう一つ次元を増やして11次元が必要となります。
私たちがいる世界は3次元で、時間を含めた時空を考えても4次元ですが、残りの7次元はどこに行ったのでしょうか?
私たちにとって余分な7次元のことを余剰次元と呼びます。
超弦理論では、余剰次元は非常に小さく丸まっていると考えます。
例えば、2次元の平面のうち1つの次元を丸めると円筒形になります。
円筒の円の部分の半径を限りなく小さくしていくと、最終的には直線状になり1次元とみなすことができます。
これと同じように、超弦理論では余剰次元は小さく丸まったり折りたたまれたりしているというのです。
11次元を検証する
今の話を聞いても、世界は11次元であるという意見にそう簡単に納得することはできないと思います。
私たちが生きる3次元空間しか目で確かめられないのが現状です。
ですが、余剰次元の存在を実際に確認することができれば、11次元の世界を皆さんも信じることができるかもしれません。
この余剰次元を測定しようという挑戦が現在、世界中で試みられています。
欧州原子核研究機構が行う大型ハドロン衝突型加速器を用いた実験では、余剰次元の効果によってマイクロブラックホールが生成される瞬間を観測することができる可能性があるそうです。
また非常に距離の近い物体間の重力を測定するという方法もあります。
原子サイズの1000分の1という近距離間で重力を測り、重力の一般原則からずれた値が測定された時に余剰次元の存在が確認できるという仕組みです。
超弦理論自体はまだ仮説止まりですが、数十年後に11次元の世界が実証され、更には宇宙誕生のメカニズムなど未だ不明な多くのことが明らかになっていく可能性もあります。
11次元の世界で生きていると考えると非常にワクワクしてきませんか?
これからの研究に注目していきたいと思います。
今回の関連で、この宇宙を突然滅ぼす可能性のある「真空崩壊」という現象について以下の動画で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください!