カッシーニが撮影した土星系の「実写動画」がヤバイ
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「探査機カッシーニが撮影した土星の実写動画」というテーマで動画をお送りしていきます。
カッシーニとは1997年に打ち上げられた土星探査機で、NASAとESAにより開発されました。
カッシーニは、土星全体の構造や磁場、土星の環、また、土星の衛星であるタイタンや、その他の氷で構成された衛星等を研究するのが目的として運用されました。
打ち上げられたのち、計四回のスイングバイを行い、2004年6月30日に土星軌道に入ることに成功しました。
そこから、2017年の9月15日までの間、実に453048枚という膨大な画像データを地球に届けてくれました。
今回は、そんなカッシーニがもたらしてくれた土星系の「実写の動画」を、その他カッシーニ関連の情報や画像を交えて紹介していきたいと思います。
ということ早速動画を見ていきましょう。
公開されていた実写動画を紹介した僕のツイートを上記に記載するので、動画をご参照ください。
こちらはIn Saturn's Ringsというプロジェクトが作成した、カッシーニが撮影した3万枚以上の実写画像を組み合わせて作られた「実写動画」で、CG等は使われていないそうです!
まず初めに見えるのはミマスという衛星です。
半径約198kmで、土星からわずか18万kmという超至近距離を、公転周期たったの22時間40分という非常に短い周期で公転しています。
天体の右側に見えるハーシェルクレーターと呼ばれる、直径130kmにもなる巨大なクレーターが特徴的で、主に氷と岩石で構成されている天体だと考えられています。
そして土星の環は、実は七つの環から構成されており、最も内側の環から最も外側の環までが約11万kmにも及ぶ巨大な幅を誇っていますが、厚みは僅か数十mしかなく、動画からもわかる通り非常に薄い構造になっています。
ここで一つ面白い関連写真があるので紹介します。
なんと環の中にプロペラのような構造があります。なんとも不思議な光景ですね。
何故このような事が起きるのかといいますと、土星の環は無数の氷粒子が集まって構成されていますが、その中に埋もれた小さな衛星が、周りの氷粒子を引き寄せているからです。
このプロペラ構造は数kmになることもあります。
そしてなにやら土星を通り越し奥から天体が見えてきました。
この衛星はエンケラドスと呼ばれる氷で構成された衛星です。
土星からの距離は約24万キロメートル離れています。
エンケラドスは、間欠泉が上がることで知られており、そのことから内部に水が存在していることが分かり、生命の存在を期待されている非常に注目度が高い天体です。
土星から遠ざかり再び全体像が見えまずが、土星の環の左下になにやら巨大な天体が見えています。
これはタイタンという土星系で最も大きな衛星で、その直径は約5150 kmになります。
タイタン(真ん中)は太陽系の衛星で木星のガニメデ(左)に次いで2番目の大きさを持っていて、衛星の中でガニメデとタイタンだけは、太陽系最小の惑星である水星(右)よりも大きいことが知られています!
そんなタイタンですが、分厚い大気に覆われており、可視光だと全体がぼんやりと大気に包まれている姿が見て取れますね。
しかし、カッシーニは赤外線を用いることによりタイタンの表面まで撮影することに成功しています!
複雑な構造の表面を持っていることがことが分かります。
タイタンは、地球と同様液体による浸食作用が働いており、衛星の中で唯一海や湖、川が形成されていることまで明らかになっています。
ただし地球のような水の海だと凍り付いてしまうので、液体のメタンによる川などの構造があるとされています。
最後に、土星からみた地球の画像を紹介します。
土星から地球までは14億4,000万kmという途方もない距離離れていますが、そんな遥か彼方でも私たちの故郷をのぞくことができます。
中央右にある青い点が地球です。土星の環も画像の中にしっかりと収まっていますね。
青い惑星として知られる私たちの故郷の星は、なんと土星から見ても青く見えることに変わりがないことが分かります!
ということで、今回は土星の美しい実写映像と動画を紹介しました。
カッシーニは2017年9月15日に土星の大気圏に突入し、最後を迎えました。
今も土星の一部になって、私たちを見守ってくれていることでしょう。