今年の梅雨入りに思うこと
九州から関東甲信地方まで一斉に梅雨入り。しかし、関東地方はほとんど雨が降らず、早くも梅雨の晴れ間が続く。今年の梅雨入りは雨の季節のお知らせではなく、大雨災害への備えを呼び掛ける発表となったようだ。
雨が降るはずだった
6日(火)は九州南部と九州北部地方(山口県を含む)、7日(水)は四国、中国、近畿、東海、関東甲信地方が梅雨入りしました。
九州南部の梅雨入りは平年より6日遅くなったものの、そのほかの地域は平年並みの梅雨入りです。
こちらは梅雨入り発表日の天気図です。梅雨前線に伴う雨雲がかかり、西日本では2日間で50ミリ前後のまとまった雨が降りました。
しかし、関東地方に近づくころには雨雲が弱まってしまい、雨はほとんど降らず。梅雨前線に近い伊豆諸島、神奈川県西部、千葉県南部で20ミリ程度の雨が降ったくらいで、東京の雨量は0.0ミリでした。
ゼロといっても、まったく雨が降らなかったわけではなく、0.5ミリ未満という意味です。雨量の最小単位が0.5ミリのため、このような表現をします。
珍しい今年の梅雨入り発表
毎年、梅雨入りの天気をみてきましたが、雨がほとんど降らなかった梅雨入りは記憶になく、調べてみました。
こちらのグラフは梅雨入り発表当日と翌日、2日間の雨量を合計したものです。年によるばらつきが大きいですが、平均すると2日間で20ミリくらいの雨が降ります。
今年のように雨がほとんど降らなかった梅雨入りは珍しく、過去20年で2003年、1999年の二度だけ。1999年の梅雨入り日は後日、大幅に修正されました。
梅雨入りの発表はこの先くもりや雨の日が多くなるという天気予報なので、先の天気は外れることも多い。しかし、発表当日と翌日の天気くらいは見通せるはずなのに、今年はすべり出しからつまずいた感じです。
梅雨入り発表に時代の変化
だからといって、梅雨入りに雨の決まりがあるわけでもなく、天気図からみた季節の変化と世間の感覚、両方を満足させる梅雨入り発表はなかなか難しい。
今年の梅雨入りがすぐに晴れてしまうことを見越した発表だったならば、これまでのような雨の季節のお知らせではなく、大雨災害への備えを重視した呼びかけに変わったと思います。梅雨入り発表にも時代の変化が表れているのでしょうか。
【参考資料】
気象庁:梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第1号,2017年6月7日 11時00分
【捕捉】
ここで取り上げた関東甲信地方の梅雨入り日は発表当時のもので、後日検討して決まった確定日ではありません。